くせ毛対策とは、タンパク質の充実した髪を
- 良質なかたちで生み出し
- なるべく守りきり
- それでも傷ついた分は補修(ダメージケア)
していく事です。
そのために有効なのが、シャンプーやトリートメントなどのヘアケアアイテム達です。
では、ヘアケアアイテムたちは、これらの目標をどう達成していくかというと、配合されたさまざまな成分たちが個々の性能を発揮して、例えば、、
血行促進する成分、抗酸化成分などにより→良質なかたちで生み出し
泡立ち成分、静電気力の除去成分により→なるべく守りきり
CMCの補充成分、ケラチンの補修成分により→それでも傷ついた分は補修(ダメージケア)
と言った具合に実現していくのです。ですから、ヘアケアアイテムの全成分表示を読み解ければ、どんな効果をもっていて、どの程度の期待が出来るのか?購入前に予想する事が出来ます。
とはいえ、凄まじい種類を誇るヘアケアアイテムの成分達です。成分を1つ1つを調べていくと切りがありません。
ただし、主にどの分野で効果を発揮してくる成分か?で括ってしまい、その分野の特徴と注意点、注目成分と言った観点で見てしまえば、ヘアケアアイテムの効果と期待値は、以外にもあっさり丸裸に出来てしまうのです。
今回は、ヘアケア成分はどんな分野で分けられているのか?そして、それぞれの特徴と注意点、注目成分をご紹介していこうと思います。
※長文を避けるため、注目成分や注意点の根拠は各成分の詳細記事にてお伝えしていきます。
Contents
洗浄成分
特徴
油系の汚れ、特に化粧品などの残留成分を、静電気力によって落とすための成分です。この静電気力がわずかながらもタンパク質への刺激と呼べるため、静電気力が低い洗浄成分が注目されますが、注目すべきは、洗浄力です。
注意点
洗浄力は、高すぎても、低すぎても問題です。正解の基準となる洗浄力は、皮脂を程よく落とし、ヘアワックスなどの被膜系化粧品をしっかり落とせる程度となります。
となると、ベストな洗浄力は、時期や年齢、使用する化粧品やライフスタイルによって変わり、一人一人違うのです。ですから、良く言われる
低洗浄力=◎
とは言い切れません。
あくまで、
なるだけ低洗浄力=◎
です。
あくまで自分の使用感を信じて無理なく、ゆっくり体を慣らしていくイメージで、自分にとってのベストな洗浄力を探っていきましょう。
注目成分
なるたけ刺激の低いものの中から、自分にあった洗浄力を持った物を選ぶ事が重要です。
ですから、低刺激な洗浄成分のうち
低洗浄力
- アミノ酸系洗浄成分
しっかり洗える
- お酢系洗浄成分
- スルホコハク酸系洗浄成分
をオススメします。
詳細は、洗浄成分 アニオン界面活性剤とは
洗浄補助成分
特徴
洗浄成分の能力の向上と、洗浄成分の刺激の緩和を担う成分です。
泡立ちを向上させる事で、摩擦の低下、洗浄力の幅を広げる、または、洗浄成分による静電気を除去する事が役割です。
注意点
これらの成分は、活躍の場が、酸なのか塩基(アルカリ)なのかによって、効果を発揮出来ない場合があります。こういった点からも、ヘアケア成分は、弱酸性に調整されているかが重要と言えます。
注目成分
洗浄補助成分は、適切な配合であれば、どれも優秀と言え、注目成分は複数上げられますが、例をあげれば
無刺激で静電気を除去したり、洗浄を助けるマルチな成分として優秀(両性界面活性剤)
- コカミドプロピルベタイン
- ラウラミドプロピルベタイン
無刺激で泡立ち向上が期待出来るため優秀(非イオン(ノニオン)界面活性剤)
- コカミドDEA
- ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース
などがあります。
詳細は、洗浄補助成分とは
pH調整剤
特徴
シャンプーやリンスなどのヘアケアアイテムそのものを、体に優しい弱酸性へ調整するための成分です。
注意点
私たちの体をつくるタンパク質は、触れる溶液のpHによって性質が変わります。ですから、極端なことを言えば本来あるべき弱酸性以外の状況においてしまう事で、生きたタンパク質の機能を失うと言った心配があり、少なくとも刺激があるといえるのです。このため、多くの化粧品は、弱酸性に調整されています。
注目成分
- リンゴ酸
- クエン酸
などがあり、これらの成分は抗酸化成分としての期待もできますが、大事なのは、あくまで『弱酸性化粧品』です。これらの成分が入っているか?よりも、その化粧品が弱酸性か?が大切です。
詳細は、pH調整剤とは
防腐剤
特徴
化粧品を腐らせない為の成分です。
酸化させない、細菌を入り込ませない、菌を殺す、といったさまざまな方法で『腐らない』を実現しています。
注意点
細菌を寄せ付けないこれらの『腐らせない成分』のほとんどは、当然、人体にも優しくはありません。
ですが、細菌や、腐った化粧品よりは、優しい成分といえます。
腐らせない薬より、腐る化粧品を警戒し、あんまり神経質にならないようにしましょう。
注目成分
- サリチル酸
- フェノキシエタノール
- パラペン
などが存在します。
ダメージ補修成分
特徴
髪は、生まれた時からダメージを受けることで消耗していき、自力でその傷を治す事はありません。
ですから、ダメージ補修を求めるならば、失った成分を補給してあげるか、似たような成分で補う事が必要です。それを実現出来るのが、ダメージ補修成分達です。
注意点
あくまでダメージを補修できる成分を言うのであって、シリコーンなどの被膜成分は別物と考えましょう。
また、ダメージを受けた髪には素晴らしい効果を与えてくれますが、健康な髪の人にとってはただ重くなっただけじゃない?と感じるだけかもしれません。
ですから「とにかく補修!」よりは、使用感にこだわる事をオススメします。
なぜならば「補修!」といえば聞こえは良いですが、お肌の補修と違い、髪の補修によるメリットは「見栄えの良さ」だけといって過言ではありません。冷たいことを言えば、髪は死んだ細胞、本来消耗する事がお仕事なのです。あくまで、仕上がりの良さが良いか悪いかにこだわることをオススメします。
注目成分
- セラミドNG(2)
- ヘマチン
- メドウフォーム-δ-ラクトン
が優秀です。
詳しくは髪のダメージ補修成分とは
抗酸化成分
特徴
酸化とは、老いや腐るといった、いわゆる物質の『劣化』をうながす現象です。
抗酸化成分は、私たちの体を支えるさまざまな機能の代わりに酸化を受けてくれる、言わば身代わりの有り難い成分です。
注意点
酸化の逆を還元と言います。酸化は還元で中和できます。
抗酸化成分は還元する事で酸化を無力化する成分です。ですから抗酸化成分は還元剤ともよべる訳ですが、実は酸化はもちろん還元も刺激物と言えます。
刺激とは私たちの体に変化を及ぼす事といえ、酸化はもちろん還元にも変化を与える力があるのです。それゆえに両者ともに刺激物と言えます。
ですから、適度適切な抗酸化物質は有効なのですが、何でもかんでも還元すれば良いと言うのは間違いです。
何でも過剰な期待や取り入れは良くない物ですよね。
注目成分
- プラチナ
- コエンザイムQ10
- トコフェノール
- ビタミンC、E
などがあり、特にプラチナ+他の抗酸化成分の組み合わせがある物をオススメします。
詳しくは、抗酸化成分とは
保湿成分
特徴
お肌の潤いを守る保湿成分です。
基本的には、保水力を維持する為の成分、セラミドを言います。
注意点
保水は給水とは違います。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、DPG、BGも保湿成分と言えなくはないですが、セラミドとは根本的な狙いに違いがあります。
セラミドは角質層の保水力の向上によるハリコシツヤとバリア機能の向上
その他は、エモリエント効果といわれる、おもにお水による角質層の柔軟効果の延長によるハリコシツヤの演出です。
分けて考えましょう。
注目成分
- セラミドEOP(セラミド1)
- セラミドNG(セラミド2)
- セラミドNP(セラミド3)
- セラミドAG(セラミド5)
- セラミドAP(セラミド6Ⅱ)
これらのヒト型セラミドをオススメします。髪にはセラミドNG、お肌にはそれ以外の複数配合が特に効果的と言われています。
詳しくは保湿成分とはまたは、角質層を守って更なる美髪を!一歩踏み込んだくせ毛対策
植物エキス
特徴
植物エキスは、複数の成分の集合体です。ですから、効果は多岐にわたる場合がほとんどです。しかも、同じ名前の植物エキスでも産地や時期などなどさまざまな条件で成分が違ってくるため、単に植物エキス名だけ、全成分表示に記載があるだけでは、必ずこういうもの!と言う事は難しいです。
ですから、同じ名前の植物エキスでも、その植物から欲しい成分だけを狙ってどんな抽出方法が選ばれたか?が大事になってきます。
西洋医術に対する東洋の漢方薬がまさにそうだったように、植物エキスには未知の期待値と、使って来たから大丈夫といった背景に安心感を背負う、扱いの難しさを併せ持っていると言えます。
注意点
ほとんどの場合、シャンプーやリンスなどの目的のハッキリしたヘアアイテムへの植物エキスの配合は、配合量が極小量であることと、抽出方法が明記されていない事から、過度な効果の恩恵を期待するのは禁物です。
本気で植物エキスの効果を得たいのならば、産地や抽出方法、配合成分のハッキリしたアイテムのうちから、例えばツバキ油ならはっきりとツバキ油です!というアイテム(ツバキ油配合!じゃない)を探し、用量用法をしっかり守る事が重要です。
注目成分
あくまで目的のはっきりしない配合成分としての植物エキスは、むしろ如何に刺激が無いかがポイントとなるため、酸化などの変化の少ない植物エキスならば配合見かけても目をつぶる。といったスタンスが正解と言えるのが現状です。
単体での植物オイルとして注目なのは
- ツバキ油(油脂)
- ホホバ油(ワックス)
- ココナッツ油(油脂)
などが皮脂膜に近い酸化しずらい(安全な)保護成分として有名です。
被膜系成分
特徴
シリコンを代表とする被膜形成剤です。網目状の油分が毛髪を包み込む事で、なめらかな指触りとツヤツヤな見栄えを演出します。
注意点
まず、危険な成分ではありません。状態を変えずらい(腐らない)成分ですし、空気を通らなくすると言った事もあり得ません。ただし、網目状とはいえ被膜するのは事実ですから、成分の浸透を少なくとも妨げます。
事実、パーマ液やカラーリングがかかりにくいといった事象が見られるようです。
逆に言えば、パーマやカラーリングの後にシリコンなどで被膜してしまうと、刺激性のある残留成分が出て行きずらくなると言えますよね?パーマやカラーリング後しばらくは、使用を控えましょう。
注目成分
- ジメチコン
- シクロペンタシロキサン
ヘアケアアイテムに含まれるさまざまな成分達
こうして見るとシャンプーには、実にさまざまな種類の成分が含まれていますよね?
余計なにを選んだら良いのかわからない!となりかねません。
ですが、さらに大枠でこれらの成分をとらえると
程よく洗い、刺激を抑える主たる成分
洗浄成分、洗浄補助成分、pH調整剤、防腐剤
配合が嬉しい+αな成分
抗酸化成分、保湿成分、ダメージ補修成分
無くても良い、もしくは、無い方が嬉しいと判断が分かれる成分
植物エキス、被膜系成分、香料などなど
に分けられます。
くせ毛対策に有効な、髪のタンパク質を守り、補うと言った観点から良いヘアケアアイテムを選ぶと、
まず、欲しい+αな成分が配合されているシャンプー及びトリートメントを探す。
次に、判断が分かれる成分については、欲しい物はもちろん欲しいで構いません。そして『迷ったら選ばない』が大切です。むしろ、配合されていない物を探すように更にふるいに掛けましょう。
最後に、『洗浄力を見直す』です。
低洗浄力は、タンパク質を守るくせ毛対策においてもちろん大事ですし効果的ですが、化粧品による残留成分を生んでは元も子もありません。
ですから、被膜系成分や植物オイル、ヘアワックスや香水、植物オイルなどのを求めるのならば、ある程度洗浄力のあるものを選ぶのがオススメです。つまりは、低洗浄力であるアミノ酸系よりは、スルホコハク酸系、お酢系シャンプーを選んだほうが安全ということです。
もっといえば、変に低洗浄力にこだわるより、洗浄力のあるシャンプーの方が安心して使えると言えます。
なので、低洗浄へのこだわりを捨て、安心して自由なヘアケアを色々試す道も全然アリです。
このように、ヘアケアは複数の選択肢と私たち個々の体と生活スタイルによる違いによって正解は1つではありません。一番の正解は消費者それぞれの納得によって成り立っているとも言えます。
自分に合ったヘアケアのセットは何か?じっくりと楽しんで探っていきましょう。
最後に、今回ご紹介した各分野の管理人オススメの成分が配合されたヘアケアアイテムをいくつかご紹介いたします。
ご検討くださいませ!