最近、シャンプー売り場へ足を運ぶと、コンディショナー、トリートメント、ヘアパックなど、ラインナップが豊富すぎて、どれから目を配るべきかわからん!って事ありませんか?
その他にも、
「リンス、コンディショナー、トリートメントって何が違うの?」
「使う順番は?」
「シャンプーとコンディショナーとトリートメントはセットで使った方がいいのかな?」
いろんな商品がありすぎて、さまざまな疑問がわいてきますよね?
私が考える仕分けでは、コンディショナーもトリートメントもその役割が違い、ケアしたい内容によってアイテムを使い分けるべきなのですが、現状の商品のパッケージに表示されている仕分けを真に受けてしまうと、必ずしもその目的通りの効果が期待できる成分が配合されている訳ではない・・・という困った事情があります。
なので、成分表示をしっかり見極めて、自分に必要なアイテムを選択しないと、高いお金を支払って、期待していた効果が期待できる成分が0!なんて悲しい状況になりかねません。。。
今回は、シャンプーにおける仕分けがどのように生まれてきたのか?
何を選べばよいのか?そして、、、それは本当に必要なのか?
想像も含めてwひも解いていこうと思います!
Contents
ふくれあがるラインナップ
私が子供の頃、お風呂グッズと言えば、
- シャンプー
- リンス
- 石けん
ぐらいしかなかったのですが、現在は?というと
- シャンプー
- リンス
- コンディショナー
- トリートメント
- ボディーソープ
といったいくつもの商品がありますね?
さらにマニアックなところをあげれば
- アウトバストリートメント
- ヘアパック
- スカルプ
- 植物オイル
などなど
さまざまなジャンルが存在します。
わたしにとって、これらの新しい用語、正直、正確な説明が出来ません。
成分に、これが入っていればこれ!と言ったような、明確な仕分け方がないからです。
現実はメーカーがトリートメント!と言えばトリートメントだし、コンディショナー!と言えばコンディショナーなのです。
この傾向は、なにもシャンプー業界に限ったことではなく、化粧品業界、IT業界と言った、新しいもの好きの業界、昭和から平成にかけて急成長した業界では当たり前のことで、新用語がガンガン登場し、知らなきゃモグリ!みたいな空気が毎日のように続くのもこの手の業界の辛いとこですw。
私的には、日本人に真に浸透させたいのであれば、新用語は、せめて漢字でお願いします!ってのがホンネですが。
まあ、ありえませんね、、、( ´∵`)
新用語に正確な定義が必ずある訳ではありませんが、それでも生まれるのには必ず理由というか、キッカケがあります。
化粧品業界の躍進とネーミング
お風呂が一般に浸透したのは、昭和初期の銭湯の誕生がきっかけとされています。
そして、現在のような毎日のようにお風呂に入る文化は、各自宅に『内風呂』が普及した1970年頃からのようです。
つまり、日本人は毎日湯船につかるんだよ?お風呂は日本の文化!という割には、日本人の風呂文化はたった50年程度の随分歴史の浅いものだったのです。
『内風呂』を両親にして生まれてきたシャンプーやリンスと言った体の洗浄剤を初めとするヘアケアアイテム達は、当然、もっと歴史が浅い訳ですね?
それでも、今や知っての通り、知らない人はいないほどの普及率です。コンディショナーすら今や日常品ですよね?
そんなふうに、爆発的に広まり、次から次へと新商品が生み出され、定義の定まらないうちに日常に定着したヘアケアアイテムたちですから、使う側はもちろん、作った側にも明確な説明のつかない、訳の分からん分類が一人歩きしているのが現状といえます。
ですから、リンス、トリートメント、コンディショナーに明確な仕切りはありません。
成分的にもそうですし、期待できる効果にすら、やっぱり明確な分別ポイントはないのです。
つまり、シャンプーをしたら、必ずリンス、トリートメント、コンディショナーをすべてしないといけない!といったことはありえませんし、まして、良く言われる、コンディショナーのあとに、トリートメントをしなくちゃ!順番が逆だと浸透しなくて意味がない!などと、言い切ることはできないのです。
リンスの誕生と進化
こんなタイトルをつけておいてなんですが、明確なリンスが出来た記録を提示することが出来ません。
ある本によると、リンスは花王によって1970年頃に最初に発売され、1975年ころから一般に普及した商品だったようです。当時のリンスの一般に認識された役割は少なくとも『香り』と『アルカリの中和』であったようです。
当時は、主に石けん系のシャンプーが使用されていて、毛髪に石けんのアルカリが付着することで髪がゴワつき、シャンプーのみの仕上がりの悪さは今の非ではなかったと考えられます。
そのために、使用されていたのが、弱酸性であるクエン酸(お酢)等が配合されたリンスだったのです。
ただし、シャンプー単体での仕上がりの悪さの原因はアルカリだけではなく、弱酸性成分で中和するくらいでは充分ではないため、その辺のことも考慮した現在のリンスの仕上がりに比べ、当時のリンスの仕上がりはそこまで良いものではなかったであろうことが想像できます。
シャンプーの仕上がりの悪さの原因とは、
- アニオン界面活性による髪への電荷付与、
- お水に含まれるミネラル成分との反応による刺激、
- 高すぎる洗浄力や摩擦や熱などの刺激によるダメージ
と多岐にわたり、リンスは少しづつそれぞれの分野での解決策がなされてきて現在もその道の途中なのです。
当時、アルカリ中和だけが目的だったリンスが最初に驚きの進化を遂げたのは、何と言っても
「シリコーンの登場」
だったと想像できます。
シリコーンの効果は、いわゆる被膜による髪の装いで、現在でも通用する、安全、安価で効果的!と言った非の打ち所のない解決策の1つです。ただし、純粋なダメージケアや、電荷除去じゃなく、ほんとは仕上がりの悪いはずの毛髪を本当に単純にコーティングだけです。
さらに進化していく技術は、アニオン界面活性の電荷付与そのものを除去する、「カチオン界面活性剤」の配合です。
電荷は言わば、ダメージ、刺激と言えるので、それそのものを除去するカチオン界面活性剤は、優しい成分という印象を受けますよね?それに対して、シリコーンの被膜による解決方法は、髪のダメージやら電荷やらをそれごと包み込んでごまかした乱暴な演出!と印象を受けませんか?ノンシリコンと言う言葉は、恐らくここから生まれてます。こうした乱暴なイメージで新たな技術と差別化を仕掛けているワケですね?
更に技術は進化します、シャンプーの電荷付与をリンス無しで、短い時間差で除去してしまおうという技術です。いわゆるリンスインシャンプーです。
今やすっかりその姿を見なくなったリンスインシャンプーですが、実は現在のシャンプーは、当時のリンスインシャンプーに配合されていた時間差で静電気を除去する技術が進化した成分が配合されているものがほとんどで、たとえ、シャンプーと名乗っていてもしっかりリンスインシャンプーだと言えてしまうのです。
何故、名乗らないか?はご想像にお任せしますw、が、現代のシャンプーがリンスやコンディショナー無しに単独でもなかなかの仕上がりを誇るのはこの成分の影響が大きいです。
各分野、進化はどんどん進みます、お水のミネラルを隔離するキレート剤や、泡立ちをキメ細かくしてシャンプーの熱と摩擦を弱め、洗浄成分の洗浄力を刺激をますことなく向上させるノニオン(非イオン)界面活性剤や両性界面活性剤が配合されたりしていきました。
この進化を、たった30年そこそこでたどったのですから、本当に素晴らしいですよね?
こうしたさまざまな機能をどんどん増やしていったリンス(日本語で『ゆすぐ』の意味)の脅威の進化を、業界はいまが宣伝のチャンスとばかりに新用語、コンディショナー(状態を整える)を使い、リンスとは全く違うものとして衝撃を込めてコンディショナーと呼ぶようになった訳です。
なので、リンスがコンディショナーとなったタイミングは定かではなく、シリコーンが入った段階なのか、キレート剤なのか、あるいは界面活性剤の種類なのか、定まったルールはない訳で、私の個人的な考えでは、単にリンスの仕上がりを超えたものがコンディショナーではないか?と思っています。
コンディショナーからトリートメントへ
では、トリートメントとコンディショナーの違いを見てみましょう。
一般的にはトリートメントは浸透するもの、髪内部に効果のある物として知られていると思いますが、じゃあ絶対これが入っているもの!といった定義はやはりないです。
ただし、髪内部まで浸透して良いもの!効果のある成分!を考えると、やはりヒト型セラミド、ケラチンと言った髪が本来持つの補修成分やヘマチン、ラクトン誘導体といったダメージケア成分が思い当たります。
恐らく、これらの成分の登場と同時に、コンディショナー(状態を整える)を超えたものとしてトリートメント(治療する)という言葉が生まれたのではないか?と推測しています。
なので、補修成分やダメージケア成分が入っていればトリートメントとうたっも間違いじゃない(恥ずかしくない)!といえるわけですから、これらの成分がわずかでも入っていれば良い訳です。
ただし、補修成分というもの自体の定義もかなり曖昧です。例えば、効果のハッキリしない植物エキスをいれて、お肌や毛髪へ浸透して潤いを実現!としていても、補修成分の効果が期待できると言え、そんな製品をトリートメントといって大丈夫と言う訳です。
ですから、トリートメントという言葉だけに過度の期待は禁物です。
必ず補修効果が期待できると言う訳ではないからです。
リンス、コンディショナー、トリートメント、その違いは?
結局のところ、それぞれに違いはあるのか?というと、基本的にはありません。
ただ各メーカーが正直に違いを言えば、恐らく
- リンス:シリコーンなどの被膜、もしくは表面の装い
- コンディショナー:カチオン界面活性剤などによる髪内部の電荷除去+表面の装い
- トリートメント:髪のダメージ補修をも期待できる
と言った感じなのではないでしょうか?ただ、現実的に成分を見ていくと、どうしてもこう!とは断言できません。
例えば、
今時、シャンプーにすらダメージ補修成分は含まれます。
シリコンなんて多くのトリートメントに配合が見られます。
優秀なカチオン界面活性剤は、リンス、コンディショナー、トリートメント、どれにだって必ず入っています。
本当に補修が期待できる成分が全く入っていないトリートメントもありますし、逆に補修効果が大いに期待できる成分がフンダンに配合されたコンディショナーも普通にあります。
シャンプー、コンディショナー、トリートメント3つで1セットは必要ない
こうした背景で、一番問題なのは、多くのシャンプーが3セットで売られていて、あたかも3セットすべて使わないといけないといった風潮が蔓延していることです。
実際に、いくつかの同シリーズのコンディショナーとトリートメントの成分を見比べると驚きます。ほぼ成分が一緒、酷いのは、全く一緒で、ちょっと手触りや質感を変えただけのものすらあるのです。
なぜ?そんなものが平気で売られているか?これもご想像におまかせしますw
もちろん、明確に目的を分けて、キチンと成分が選ばれたセットもありますが、はっきり言ってそんなものはかなり稀です。
ですから、コンディショナー、トリートメントをセットで買う必要はなく、まして、コンディショナーより優秀なはずのトリートメントだけを購入するといったことは相当もったいないことになりかねません。
ほぼ、同じ成分なのにトリートメントだけ高い!なんてのはざらですからね?
しっかりと成分表示を確かめれば、相当おトクに本来の狙った効果を得られるケースが多いので、化粧品業界のコンディショナー、トリートメントセットを初めとして、自然由来やら、潤いを与える!などの謳い文句は信頼せず、真実を見極めて商品選びをしていきましょう。