高級アルコール系というシャンプーの分類を聞いた事はありませんか?
『刺激が高い』『洗浄力が無駄に高い』など、非常に悪い印象を持つ方も多いかもしれません。
確かに、比較的そういった傾向にあるのは否定できません。
ですが、高級アルコール系=高刺激・高洗浄力とは、近年言い切れなくなっています。
スルホコハク酸系やお酢系の洗浄剤は、以前の分類法では高級アルコール系に入ってしまうものの、低刺激なんです。
ワックスやスプレーを多用し、髪型をオシャレに決めたい場合には、それらをしっかり落としてくれる洗浄力の高さが必要になってきます。盲目的に低刺激・低洗浄力を選び、汚れが残ってしまうシャンプーを使っていては本末転倒です。いちがいに低洗浄力=「頭皮や髪のため」とは言い切れないのです。
汚れをしっかり落としつつも低刺激に洗える!など、界面活性剤も日々進化し、新しい種類のものがどんどん登場してきています。高級アルコール系は「キケン」といった古い認識のままでいると、自分にピッタリのシャンプーを見逃してしまうかも。今回は、そんな最新のシャンプー事情について考えていきたいと思います。
高級アルコール系界面活性剤とは
シャンプーを分別するとき、使用される主たる界面活性剤の種類によってさまざまな分別がされます。その種類によって、ある程度特徴が決まるから、簡単な推測に便利だからです。
ただし、界面活性剤のどこをみて種類を分けるのか?は時代によって変化してきました。
高級アルコール系というのは、古い分別の仕方です。
現在では、硫酸系、アミノ酸系、スルホコハク酸系、カルボン酸系、スルホン酸系などといった分け方が主流で、当サイトもこの分け方が主流です。
どう違うのかというと、高級アルコール系という分け方は、高級脂肪酸系と対をなす、界面活性剤の『親油基』の種類に着目した分け方なのです。
親油基とは、界面活性剤の名前の前半部分にほぼ、しめされていて、油(汚れ)とくっ付く部分のことです。対するのは親水基で、界面活性剤の名前の後半部分にほぼしめされていて、水とくっ付く部分のことです。
例えば、ラウレス硫酸Naならば、ラウレスが親油基、硫酸が親水基といった具合です。
このとき、親油基が、ラウリル、ラウレス、オレフィン、アルキルなどの高級アルコールと呼ばれる構造のものだと高級アルコール系逆に、ココイル、ココアンホ、ラウロイルなどの場合、高級脂肪酸系と分類するのが、親油基を見た時の分け方なのです。
親油基による分類
- 高級アルコール系:ラウリル、ラウレス、オレフィン、アルキル
- 高級脂肪酸系:ココイル、ココアンホ、ラウロイル
進化する高級アルコール系シャンプー
高級アルコール系界面活性剤を主たる洗浄成分に利用したシャンプーを高級アルコール系シャンプーと呼ぶ事があります。
もともと、親油基に着目したこの呼び方をしていた理由は、ラウレス硫酸Naに比べて、比較的低刺激なアミノ酸シャンプーなどの高級脂肪酸系シャンプーとの差別化を計るためと思われます。『アルコール』って何となく印象よくないですしね?差別化するにはもってこいです。
ですが近年、界面活性剤は進化を遂げ、親油基の種類だけでその特徴決めつけるのは不可能です。高級アルコール系だから必ずしも比較的高刺激であるとは言い切れなくなっているのです。
そのために、近年では、アミノ酸系、硫酸系、お酢系といった親水基まで見るより細かい分類がなされる訳です。
親水基による分類
- アミノ酸系:グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、サルコシン、タウリン
- 硫酸系:硫酸
- お酢系:酢酸、カルボン酸
高級アルコール系シャンプーにも優秀な低刺激シャンプーはある
確かに、シャンプーに使用される高級脂肪酸系界面活性剤は総じて、低刺激である傾向にあります。が、総じて低洗浄力である傾向にもあります。
進化した高級アルコール系界面活性剤には、刺激性を抑えつつ洗浄力を残す進化を遂げたものがいくつかあります。
- スルホコハク酸系
- カルボン酸系(お酢系)
がそうです。
これらの界面活性剤は親油基が高級アルコール系にもかかわらず、高級脂肪酸系並みの低刺激性を持ち合わせています。
さらにこれらの界面活性剤が有能な理由は、洗浄力の高さです。
当サイトでは、低洗浄力を推してはいますが、
あくまで
低洗浄力=○であり
なるべく低洗浄力=◎なのです。
人や時期、使用する化粧品によっては、あまりに低洗浄力が過ぎると残したくない成分、特に化粧系の成分の残留が心配されます。ですから、場合によっては高洗浄力は低刺激におさえる特徴でもある!とも言えるのです。
残留成分を残してはいくら低刺激洗浄で皮脂を残せても、元も子もないですからね?
無理に低洗浄力を選ぶよりは、高洗浄力の方が無難という訳です。
更に言えば、高洗浄力は他の化粧ケア、ワックスやオイルといったものを幅広く受け入れられると言えますよね?自分のライフスタイルにあった洗浄力を無理なく探っていきましょう。