シャンプーの善し悪しを紹介する時、必ず第一に注目されるのが、何系シャンプーか?です。
いわゆる、アミノ酸系、硫酸・スルホン酸(石油)系という分け方ですね?シャンプーは、ヤバい薬品で刺激が高い、だから、せめて低刺激なアミノ酸シャンプーを選ぼうと言う論調が多いですよね?
シャンプーの主成分である洗浄成分に特に注目することが大切なこと、そして、アミノ酸系が特に低刺激で髪やお肌に比較的優しいと言うのは間違っていません。ただし、あくまで比較的優しいのです。
現代の界面活性剤は、お肌や髪に影響を与えるほどの刺激を持つものはありません。刺激に差があるのは事実ですが、本当にわずかな差で、いわゆるヤバいシャンプーは通常存在しません。
※海外製品の一部に未だに存在すると噂を聞いたことはありますが、それですら、よっぽどの弱った髪にたいしてダメージに心配がある程度で、お肌内部に浸透し、何かまずいことが起きる!といったことは考えずらいです。
それよりも、心配するべきお風呂の刺激とは別にあると、私は考えています。
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シャンプーにおいて刺激とは
お風呂の刺激について考えられるものを見ていきましょう。
- 洗浄成分の静電気力
- 強すぎる洗浄力による脱脂ダメージ
- 洗髪時の摩擦
- お湯の熱
- 酸と塩基(アルカリ)といった状態変化
- お水に含まれる金属イオンの張り付き
と言ったところが主だったところだと思います。
このダメージ、お肌よりも特に髪に心配がかかります。
髪は元々お肌よりも弱い死んだ細胞、ただでさえ傷みやすいうえに、一度でもダメージを受ければ抜け落ちるか、切り落とされるまでそのダメージを引きずり、次の更なるダメージを受けやすくなるからです。
では、髪にとって最も心配すべき刺激はどれかというと、私は、摩擦や熱といった洗髪そのもののダメージであると考えています。
シャンプーの刺激緩和剤
お風呂に低刺激を求めるのであれば、シャンプーそのもの刺激といえる、強すぎる洗浄力と静電気の刺激をある程度心配するべきかもしれませんが、現在のシャンプーにおいて、石けんシャンプーを除いてそんなところに大きな差はないはずです。
※石けんは、アルカリ性であるため、超高洗浄力、超高刺激と言えます。石けんで髪を洗うとごわごわな仕上がりになるのはこの刺激によるダメージです。また、そんな石けんを使用しても、お肌は多少突っ張ると言ったダメージを感じることがあっても一時的で、その点から見てもいかに髪が脆いか?お肌が頑丈か?がみえてきます。
突然ですが、お湯だけで洗髪したことはありませんか?
一度やってみるとどなたでも感じると思いますが、その仕上がりは、石けんほどではありませんが非常にパサついてゴワゴワなものになります。これは、シャンプーやリンスに含まれる被膜剤などの化粧剤を利用できていないから!というのもありますが、根本の原因は熱と摩擦のダメージによるものです。
現在のシャンプーは、熱や摩擦はおろか、金属イオンのダメージを軽減するといったような成分がふんだんに含まれているものが多く、お風呂のダメージを相当に軽減させるものが多いのです。
そういった意味で、かの、ラウレス硫酸ナトリウム配合のシャンプーですら、その他の成分によっては低刺激な刺激緩和剤とも言えてしまうと言う訳です。
シャンプーの刺激緩和成分
アミノ酸系洗浄成分にせよ、硫酸・スルホン酸(石油系)洗浄成分にせよ、洗浄成分であれば、洗浄力を持っているとともに、水の集まろうとする力を弱め、お水を泡の形状にし、空気のクッションとなり、熱や摩擦を軽減するという能力を持ち合わせています。
ただし、洗浄成分であるこれらの成分は、アニオン界面活性剤とよばれ、配合すればするほど泡立ちもよくなりますが、洗浄力と静電気力といった刺激の元ともなりうる能力も上げてしまうため、大量に配合することは単純に低刺激化とはならないのです。
ここで、便利なのが、無刺激の泡立ち向上+洗浄剤ともいえるノニオン界面活性剤や、低刺激にアニオン界面活性剤を助ける両性界面活性剤といった成分です。
ようは、これらの配合バランスによって、より低刺激のシャンプーが作成できる!というわけで、私たちはそのバランスを見てシャンプーの評価をすることが出来るのです。
単に、主たる洗浄成分だけみても充分じゃあないと言う訳ですね?
では、低刺激シャンプーとは?
最近では、主たる洗浄成分にベタイン系と呼ばれる両性界面活性剤を主軸におき、アミノ酸系アニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤でワキを固めたシャンプーが多く、その手のシャンプーも低刺激シャンプーと呼べます。
クイーンズバスルーム
洗浄主成分
ラウリルジメチルベタイン(両性)洗浄補助成分
ヤシ油脂肪酸アシルDL-アラニンTEA液(ココイルアラニンTEA)(アミノ酸系アニオン)
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)(ノニオン)
など
キューテック マイクロフォーム
洗浄主成分
コカミドプロピルベタイン(両性)洗浄補助成分
スルホコハク酸ラウレス2Na(スルホコハク系アニオン)
コカミドDEA(ノニオン)
ボタニスト
洗浄主成分:コカミドプロピルベタイン(両性)
洗浄補助成分:ココイルメチルタウリンNa(両性)
デシルグルコシド(ノニオン)
など
他にも高級なサロンシャンプーで多い最近主流の低刺激系シャンプーのとしては、スルホコハク酸系のアニオン界面活性剤を主軸に起きノニオン界面活性剤と両性界面活性剤で低刺激化を計っているものが多いです。
低刺激シャンプーの仕上がりとは?
低刺激のシャンプーだから仕上がりはよくなるのか?というと、正直かなり微妙です。
もちろん低刺激であればあるほど、髪の潤いをより守れるのは間違いありません。
ただし、現代人のシャンプー事情を考えると直ちに納得の効果を得られるか?と考えると、そうだとも言い切れません。その原因が、被膜成分です。
シリコーンなどの成分が有名ですが、例えノンシリコーンを語るヘアケア製品でも、何らかの被膜成分が含まれていることがほとんどで、多くの現代人の髪の仕上がりは私たちが知らないうちに化粧剤に依存していると言えるからです。
本当の意味で髪本来の美しさを得る為には、こうした被膜成分を避け、セラミドやヘマチンと言った補修成分を狙ってヘアケアアイテムを選ぶ必要があるとも言えるかもしれません。
もちろん、被膜成分が悪い訳では無いのですが、こうしたヘアケアアイテムによる無意識の化粧といった時代背景が、低刺激そのものの価値を分かりづらくしているとは言えるのでは?と思います。
低刺激シャンプーを探し、上手に使おう!
実験で、1年ほどシャンプーをやめていたことがあり、その時の経験から、シャンプーによる低刺激成分の効果は間違いない!絶大なものである!と言うのは間違いありません。
それに加えて、如何に、お湯を活かすか?を初めとする、低刺激にシャンプーするテクニックと言うのも重要です。
美容師さんのシャンプーを思い出してください。本当に上手に摩擦を避けていますよね?
シャンプーは、日常のことなので、いっかいいっかい意識するのは慣れるまで大変かもしれません。
ただし、だからこそ効果は大きなものが期待できる訳です。
そこで、優しい洗髪を続けるコツは、より低刺激なシャンプーを探すことです。
上には上がある物で、最近のシャンプーは本当に奥深く、洗髪にも関わらず、補修にまで目を向けたシャンプーすらあります。こうした、シャンプーを選ぶとモチベーションがまったく違ってきませんか?
自分に合ったシャンプーセットを探し出し、楽しい至福の時間とともに美しく健康的な潤い髪を手にしましょう!