ヘアケアアイテムにおいて、『ダメージケア』は含みを持たせれば広い意味があり、割と簡単に、『髪がよみがえる!』なんて言えてしまうのですが、厳密な意味で『補修』できる成分は限られています。
では、厳密な意味での髪の補修は何かというと、
- 流出した髪内部の保水性分、CMC(セラミド)の補充
- 欠損した髪のタンパク質、ケラチンの補修
のどちらかを言います。
これらのダメージケアは、ダメージを受けてタンパク質による保水力を失った弱い髪を、なるだけもとの状態に近づけてあげて、本来の保水力を取り戻すことで、ハリ、コシ、ツヤを復活させるという、本当の意味での『髪の補修』を実現させるヘアケアです。
単に、ハリ、コシ、ツヤを取り戻すことをダメージケアとするのであれば、さまざまな被膜成分、例えばシリコーンも有効なダメージケアです。ただし、その結果演出するハリ、コシ、ツヤはまったく別ものです。
今回は本来の保水力を取り戻す髪の補修成分についてご紹介します。
Contents
髪のうるおいを補う成分
CMC(セラミド)の補充は、ヒト型セラミドで
髪の潤いはCMC(セラミド)で守られています。詳しくは髪の潤いを守りたい!CMCとは?にてご紹介しています。
この保水成分、CMCの流出から髪のダメージは始まり、加速的に蓄積していってしまいます。
逆に言えば、CMCさえ保てれば髪のハリコシツヤは守られると言えるのです。
そんな髪のCMCの主成分、セラミドと同じ構造をもった成分があります。
セラミドNG(旧名セラミド2)です。ですから、この成分が全成分表示に記載されていれば、そのヘアケア商品は髪の補修が大いに期待出来る!と言えます。
ただし、あくまで全成分表示に、セラミドNG(旧名セラミド2)の記載があるものです。
実は、セラミドといってもさまざまな種類があり、それぞれの有効性はまったく異なるためです。
ですから、単にセラミド配合!と記載があるだけでは、思うような『CMCの補修』効果を得られない心配がります。そこで、簡単ではありますが、髪のCMCのダメージ補修においての多々あるセラミドを選別すると3種に分けられます。
『優秀』 髪が本来持つセラミドとまったく同じ構造のセラミド
セラミドNG(旧名セラミド2)
『良』 ヒト型セラミド(人の体に実際存在するセラミドと同じ物)
セラミドEOP(セラミド1)
セラミドNP(セラミド3)
セラミドAG(セラミド5)
セラミドAP(セラミド6Ⅱ)
『その他』 天然セラミド 馬や米から作られるセラミド
コメヌカスフィンゴ糖脂質
スフィンゴ糖脂質
グルコシルセラミド
ガラクトシルセラミド
ウマスフィンゴ脂質
などなど、
セラミド+アルファベットor数字の物以外の物全て
『その他』としたのは、これらの成分は保湿などなど、個々さまざまな効果が期待できます。が、ヒト型セラミドのような『補充』としての能力は微妙と言わざるを得ません。
なので、『セラミドの補充』を求めるのならば、パッケージに「セラミド配合!」とあっても
最低でも、全成分表示に、セラミド+アルファベットor数字があるか?のチェックが必要です。
更に、最高の物を求めるのならば、セラミドNG、セラミド2が入っている商品を探しましょう。
『セラミドNG』配合のオススメヘアケアアイテム
シャンプー
セラミドNGを初め、多くの保湿成分とアンチエイジング成分、更にはケラチン補修まで期待出来る高級シャンプー
キューテック マイクロフォーム セラム
※まだアイテムは少ないですが、本当に良いものを見つけ次第、随時更新していきます。
髪のタンパク質を補う成分
髪のタンパク質、ケラチンの補修出来る成分
十分なCMCなしでは、髪の外部のキューティクルをはじめ、髪の内部のコルテックスをも損傷する心配があります。こうした髪の欠損は髪の自力では二度ともとに戻りません。
ですが、さまざまな成分を髪に浸透させる事で、人工的に髪の損傷箇所を修復する事が出来ます。
もっとも純粋な補修成分、ケラチン
「ケラチン」は、そもそも髪を構成する主成分です。ケラチンを髪のダメージ個所に浸透させる事でダメージの修復が可能です。純粋に、失った物を与えるのですから、ケラチンによる補修はもっとも純粋な補修と言えます。
ただし、一口に『髪のケラチン』といっても、ケラチンにもさまざまな種類があり、それぞれ特徴が違っていて、ダメージ箇所によって、有効なケラチン、有効とはいえないケラチンがあるのです。
そのため、ヘアケアに配合されるケラチン成分は
ケラチン
加水分解ケラチン(羽毛)
加水分解ケラチン(羊毛)
ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン
ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン
などなど、さまざまな種類があります。
それぞれ1つ1つの分子の大きさ、水や油との馴染みやすさなどの違いがあり、それによって浸透力などがきまってくるので補修できる損傷個所が違っています。
このため、全ての髪のダメージ補修を狙うには数種のケラチンが必要になってくるのです。
ヘマチン
「ヘマチン」は、酸素を送る役割で有名な、血液中のヘモグロビンからできる成分です。
ケラチンと非常に高い親和性のある成分であるため、ケラチンのダメージ個所と結びつく事で、髪のダメージ補修効果があります。
さらに、「ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(ペリセア)」が一緒に配合される事で、ヘマチンの浸透力が増しよりいっそうの効果が期待出来ます。このため、ヘマチンの配合が見られたら、同時にペリセアも入っているかチェックする事も有効です。
ヘマチンが補修成分として、チマタでとても名高い理由はその補修力だけではありません。
ヘマチンの元となる成分、ヘモグロビンは酸素を送る能力つまりは、酸素とくっつき、かつ酸素を渡せる能力を持っていて、この性質がヘマチンにも残っています。この能力は、パーマ剤などの「酸化させようとする溶剤」「還元(酸化の逆)させようとする溶剤」の能力を失くす力もあります。さらに、抗酸化力とも言えるこの能力は、皮脂や毛髪をはじめとするさまざまな成分の酸化を防ぐことができます。
人体にとって酸化は、おおまかに劣化を意味します。皮脂が酸化すれば、匂いをはじめとするさまざまなトラブルを生みますし、シミやシワなどのいわゆる『老い』の原因も皮膚をはじめとする体の酸化が大本です。
単なる修復成分だけではないヘマチンは、これらの理由でヘアケアアイテムの中でも、かも高名なのです。
また、超高刺激であるパーマや縮毛矯正後のダメージケアとして、ヘマチンは最適です。
残留成分となった酸化還元剤を無力化させる上に、ダメージ補修もできるのですから、この為に生まれたと言いたい程のマッチぶりです。実際、パーマ後に使用する優良サロンも多いですね。
メドウフォーム-δ-ラクトン
「メドウフォーム-δ-ラクトン」は、ラクトン誘導体と呼ばれる成分の内の1つで、γ‐ドコサラクトンなども同じ効果を持っています。
ラクトン誘導体は熱エネルギーを得る事で、髪の損傷部分をつなぎ合わせて補強してくれる画期的な成分です。この効果を発揮する為に60℃程度の熱が必要なので、使用後のドライヤーは必須となります。
また、本来髪の弱点である熱を、代わりに受ける役割も期待出来るため、ドライヤーによるダメージ軽減にも効果が期待できます。
ケラチン補修成分の注意点
これらの補修成分は、特に縮毛矯正やカラーなどにダメージヘアに特にオススメです。
逆に言うと、ダメージのない髪の方には、単に『重たくなった』といった悪印象を持つ方もいるかもしれません。
とはいえ、やはり補修と言う意味で、超有力な成分です。
配合したヘアアイテムもまとめてご紹介していきます。
ケラチン補修成分配合のオススメヘアケアアイテム
シャンプー編
キューテック マイクロフォーム セラム
「ペリセア」「メドウフォーム-δ-ラクトン」「加水分解ケラチン」配合
セラミドNGを初め、多くの保湿成分とアンチエイジング成分、更にはケラチン補修まで期待出来る高級シャンプーです。
詳しくはコチラ
haru
「ヘマチン」配合
低洗浄低刺激のシャンプーです。また、リンスインシャンプーということで、これ一本で優しくしっとりなめらかな仕上がりを実現出来ます。
詳しくはコチラ
ダメージを補修するヘアケアとは
大まかに見ればダメージには段階があり、順を追って蓄積されていきます。
2、弱まったシールドにより、キューティクルやコルテックスのケラチンが損傷する。
の2段階です。
ですから、修復も2段構えで見ることもできます。
2、欠損した髪のタンパク質、ケラチンの補修
といった具合です。
前述のように、2のケラチン補充までいくと、ヘアケアとしてはかなり玄人の世界に踏み込んでいて、人によっては違和感だったり重すぎると感じたり、好みが分かれる可能性があります。
つまり、どこまでの修復が必要なのか?は、一人一人の髪の事情と好みによって異なるかもしれません。
たとえば、くせ毛の人は「縮毛矯正をするのか?」「しないのか?」が、大きな分かれ目、目安と言えるかもしれません。
いずれにせよ、髪は死んだ細胞の塊です。元も子もない事をいえば、何をしようと人体に与える影響は少ないと言えます。そのため、どこまで修復成分を求めるかの正解は「さわり心地」「見栄え」といったそれぞれの『使用感』がすべてと言えると考えています。
大切なのは、『使用感』は、どんな成分が配合されているか?を見極めることである程度の予測ができるということです。
ダメージを補修する成分は、いい意味でも悪い意味でも、大きな効果を得る成分である事は間違いありません。しっかり見極めて、お気に入りの使用感を生み出すヘアケアセットを探し出しましょう。
主たる成分
配合が嬉しい+αな成分
無くても良い、もしくは、無い方が嬉しいと判断が分かれる成分
植物エキス
皮膜成分