洗浄成分を助ける成分です。
洗浄成分の洗浄力の幅を広げる、刺激緩和が主な役割で、界面活性剤がその代表です。
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洗浄成分の泡立ちの向上
シャンプーの洗浄力をイメージ的な点数で表現すると、かけ算のように決まっていきます。
洗浄成分の水との反応の良さで基礎点が決まり、いかに『泡立つか』で係数が上がっていき、相乗的に点数が決まるわけです。
ここで注目なのは、
基礎点である洗浄成分の水との反応の良さはあがればあがるほど、静電気力によるダメージを増加する心配があがりますが、
係数を決める泡立ちは、あがればあがるほど、泡が空気入りクッションとなって、摩擦や熱による髪のダメージを軽減出来るのです。
つまり、シャンプーは泡立てば泡立つほど、低洗浄力で済むので、余計な静電気力のダメージを軽減できて、更に、摩擦や熱によるダメージをも減らすと言う訳です。
では、シャンプーを泡立たせるにはどうすれば良いかというと、お湯の分子同士の結束を弱めれば良いのです。
『泡立つ』を理解するには、液体と空気が混じり合うことをイメージするのが分かりやすいと思います。
水同士は、くっつこうとします。隣り合った水滴が、ピチョンと1つの球体に集まるあれです。
この力を水素結合と呼び、コップに注がれた水は、この力によってがっちり結束されているので、空気や油は入り込む余地がなくて混ざらないのです。
ですから、水に空気を混ぜたい(泡立てたい)のであれば水素結合を弱めてあげれば良いのです。
そこで役立つのが、界面活性剤です。界面活性剤は、文字どおり、
界面(水と空気といった性質の違う物体の境目)を
活性(この場合、混ぜ合わす)する剤です。
簡単に言うと、物質ごとにさまざまな特徴を持つ静電気力に介入する事で、本来混ざらない物を混ぜることなどができる成分です。
洗浄成分である、陰イオン(アニオン)界面活性剤も泡立つ力を持っています。洗浄(水と油の境界に介入して混ぜあわせる)できるのだから、空気にも同じ事ができて当然とも考えやすいですよね。
ですが、強力な泡立ち能力を持つ洗浄成分が多く配合されていれば、泡立つので低刺激とは言えませんよね?それでは同時に、洗浄成分が併せ持つ静電気力をも上がってしまい、本末転倒と言う事にもなりかねないからです。
そこで便利なのが、非イオン(ノニオン)界面活性剤です。
非イオン(ノニオン)界面活性剤
非イオン(ノニオン)界面活性剤は、静電気力を持たずに界面を活性化する事ができます。
このため、無刺激でシャンプーを泡立てる事ができるのです。
非常に便利で優しい非イオン(ノニオン)界面活性剤には、
- コカミドDEA
- ポリオキシエチレンアルキルエーテル
- ポリソルベート‐80
- ジオレイン酸PEG‐120メチルグルコース
- トリイソステアリン酸PEG120
- PEG-7グリセリルココエート
- イソステアリン酸PEG‐120
などなど凄まじい種類の成分があります。
洗浄力などに、差が有り、単に泡立ちを向上させるものや、洗浄をも手伝うものありますが、基本的には、洗浄成分である陰イオン(アニオン)界面活性剤と併用され、補助的に利用されています。
ですから、洗浄補助剤として働く成分と言えます。
洗浄成分の刺激の緩和
洗浄成分である、陰イオン(アニオン)界面活性剤は、水と反応する事でマイナスの力をおびて洗浄力を発揮します。このマイナスの力は汚れを落とすとともに、髪の毛に静電気を与えて帯電させてしまいます。
結果、静電気を帯びた髪の毛は、水分中のミネラルなどと反応してゴワツキを生んだりする事でさまざまな悪影響を及ぼします。
そんな、静電気を除去する便利な成分もまた、1部の界面活性剤なのです。
陽イオン(カチオン)界面活性剤
最も単純に静電気の除去を実現するのが、陽イオン(カチオン)界面活性剤です。
なぜならば、水と反応する事でマイナスの力をおびるという、陰イオン(アニオン)界面活性剤とは逆の反応を示す成分だからです。アニオンは洗浄成分でしたが、カチオンは、吸着による柔軟性と帯電防止性、殺菌性や消毒性を発揮します。
これにより、髪にたまった静電気を除去して、シャンプー後のゴワツキを軽減しつつ、柔軟でサラサラな髪を作り上げます。ただし、陰イオン(アニオン)界面活性剤とは、効果を打ち消し合ってしまう為に、シャンプーへの配合は基本的にあり得ません。リンスやトリートメントに配合されていて、あくまで、シャンプー後のヘアケアとして利用されています。
ただし、陽イオン(カチオン)界面活性剤はその刺激性も指摘されています。
静電気を奪うまでは良いのですが、過剰に注ぎ込まれた陽イオン(カチオン)界面活性剤は髪や頭皮に吸着してしまうからです。これにより、サラサラを演出しているとも言えるのですが、静電気力を持っている=刺激力を持っていると言えます。アニオンにせよ、カチオンにせよ、タンパク質への刺激がある!と言われる所以はココなのですが、カチオンはその残留性がある分、アニオンよりも刺激が強いと言えます。
洗浄成分であるアニオンよりも怖いと言うのは以外ですよね?
死んだ細胞である髪は、どう演出してくれようと、ある程度目、をつぶれますが、生きていて体を守るお仕事のある頭皮やお肌にはやはり心配です。ですから、陽イオン(カチオン)界面活性剤の配合がみられたら、刺激物であると理解した上で、過剰な使用は避け、目的をはっきり意識して、適度に利用したあと、しっかりとよく流す事をオススメします。
そんな陽イオン(カチオン)界面活性剤にも
- ココイルアルギニンエチルPCA
- ベヘントリモニウムクロリド
- ステアラミドプロピルジメチルアミン
- ポリクオタリウム
などが上がります。
ちなみにポリクオタリウムは、陰イオン(アニオン)界面活性剤と一緒に配合される特別な陽イオン(カチオン)界面活性剤で、これは陰イオン(アニオン)界面活性剤に遅れて効果を発揮する事で、洗浄しながら時間差で静電気の除去ができる画期的な成分です。リンスインシャンプーを実現しているのもこの仕組みといえます。
両性界面活性剤
静電気を与えず、低リスクで洗浄や、電荷除去を手伝うのが両性界面活性剤です。
両性界面活性剤は、周囲の状況で性質を変える特徴があり、周囲が洗浄成分(アニオン)ならば洗浄を手伝い、静電気除去(カチオン)ならば静電気除去を、ほぼ、刺激無しで手伝います。
まさに洗浄補助成分といえ、ノーリスクなのは非常に優秀と言えます。
つまり、これらの配合が、見られれば刺激無しで効果の底上げが期待出来ると言えるのです。
そんな、両性界面活性剤には
- ラウラミドプロピルベタイン
- ココアンホジ酢酸2Na
- コカミドプロピルベタイン
などがあります。
低刺激で程よく洗うを手伝う洗浄補助成分
シャンプーの最低限の目的は
ですから、これを実現する洗浄補助成分はシャンプーにとって、洗浄成分の次に大切な要素の1つと言えます。
補修なども魅力的ですが、まずは生まれて来た髪を守る事がくせ毛ひいては美髪の基本です。
まず、洗浄成分に注目し、次にそれ相応の洗浄補助成分が組合わさっているか?が見えてくると、総合的な洗浄力と刺激性が前もって予測出来るようになり、ヘアケアアイテムをより深く見る事ができます。
ココまで来るとかなりマニアックと言えますが、全成分表示をみてテンションが上がる!といった楽しみも増えてきます。
- 低刺激化
- 能力の底上げ
主たる成分
配合が嬉しい+αな成分
無くても良い、もしくは、無い方が嬉しいと判断が分かれる成分
植物エキス
皮膜成分