くせ毛対策には潤いが重要です。
では潤いはどう手に入れるかというと、
- 本来の潤いを守る
- 失った潤いを補う
が重要です。
「守る」において、シャンプーで最も注目されがちなのが洗浄成分の種類ですよね?アミノ酸シャンプーは低刺激!高級アルコール、石油系シャンプーは高刺激!というあれです。
これは、シャンプーの洗浄成分であるアニオン界面活性剤がその種類によって、もっている静電気的な力が違うことから由来するお話です。
アニオン界面活性剤の静電気力を刺激と呼ぶのであれば、洗浄剤の種類によって力の差があるのは、化学的根拠のあるれっきとした事実です。
ただし、洗浄成分の刺激というと得体が知れない感じがして怖い気がしますが、実際はそんなに問題になるような強力なものではありません。
騒がれ過ぎ?シャンプーの刺激の正体
そもそも、シャンプーの刺激が特別に問題視されるようになったのは、20年以上前に美容師さん達の手荒れなどのトラブルが頻発したことが原因とされています。
この手荒れが、確実にシャンプーによるものかもはっきりとは言い切れませんが、このころ使用されていたシャンプーの主な洗浄成分がラウリル硫酸ナトリウムというアニオン界面活性剤です。
ラウリル硫酸ナトリウムは、現在主流のラウレス硫酸ナトリウムや、ココイル(ラウロリル)グルタミン酸ナトリウムと比べて、化学的に見て明らかに2〜3周りは強い静電気力を持っていると言えます。
そんなラウリル硫酸ナトリウムは、当然、手荒れの原因と決めつけられ、まるで『毒』かのように評判が悪くなりました。(実際、ラウリル硫酸ナトリウムに手荒れを起こすほどの力があったかもしれませんが、、)
得体の知れない薬品の悪評って恐ろしい広まりをするものですよね?
私にはこの悪評が現代まで影響しているように思えます。
ラウリル硫酸ナトリウムと同じ何かを持つものを、無意味に恐れる風潮です。
石油由来の成分、硫酸と名のつく成分などはとっても怖がられがちですよね。
とくに嫌われているのは、ご存知、ラウレス硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸Na)ですよね?
相対的に好まれているのが、アミノ酸系シャンプーです。
ラウレス硫酸ナトリウムは毒で、アミノ酸系シャンプーは体に良いと言わんばかりに評価が分かれています、
でも、冷静に2つの構成分子を見直すと、そこまでの刺激の差があるとはいえないのです。
ラウリル硫酸ナトリウムと現代のシャンプーの刺激の差は明らかな差が認められますが、現在のアニオン界面活性剤はどれも優秀と言うことですね。
シャンプーの持つ刺激
シャンプーが持つ成分の人体への影響は、角質層(お肌の表面およそ0,03mm)と毛髪内部に留まります。そのくらい、人体のバリア機能は優秀だからです。
このバリア機能を突破するとすれば、よっぽど想定外で革新的な成分が配合される、もしくは、目や口から侵入することくらいでしょうか。
なので、シャンプーの刺激で心配するべきなのは、角質層や髪のタンパク質の破壊(変性)となる訳です。
毛髪、角質層ともにタンパク質で構成されていて、幾重もの化学結合で結束して結びついています。このつながりは、一定の静電気力によるダメージを確実に凌ぎきる耐力を持っています。
ラウレス硫酸ナトリウムにその耐力を超える力は基本あり得ません。もしも、そんなことが起こるとすれば、よっぽど弱ったタンパク質であることが推測されます。
あるいは、伝説のラウリル硫酸ナトリウムなら分かりませんがw
なので、ラウレス硫酸ナトリウムをつかっても、アミノ酸系をつかっても、静電気力のダメージという見方において、結果に差がうまれない、つまりどっちみちタンパク質が破壊(変性)されない可能性が高い訳です。
もちろん、ラウレス硫酸ナトリウムより、アミノ酸系洗浄剤の方が静電気力が低いと言うのは事実ですから、アミノ酸やカルボン酸の方が優秀というのも間違ってはいない訳ですけどね。
では、低刺激シャンプーとは?
シャンプーにおける刺激とは、アニオン界面活性剤の種類による静電気力と言うよりは、
- 強すぎる脱脂力
- 弱酸性ではない薬剤
- 洗髪時のそもそもの摩擦と熱
であるといえます。
いかに、静電気力の低いシャンプーを選んでも、上記のようなその他の刺激についてまったく考えられていないシャンプーであれば、まったく意味がない!と言えます。
ですから、場合によってはラウレス硫酸ナトリウム配合のシャンプーの方が、アミノ酸系シャンプーより低刺激!なんてこともあり得るといえます。
でも、実際はアミノ酸系洗浄剤などの低刺激洗浄剤を選ぶような商品は、比較的その他の成分も優しい優秀設計をされている場合が多いですから、アミノ酸系シャンプーの方が優秀である場合が多いですけどね。