くせ毛対策として、縮毛矯正は『髪をまっすぐにする』唯一の手段です。
ですが、大変な刺激が伴う為、様々なリスクを背負い込む覚悟が必要です。
ですから、縮毛矯正後のヘアケアには数々の注意点があります。
その理由は、強引な整形の結果、髪が極限まで弱っている事と残留薬剤の影響です。
そうした理由から、縮毛矯正後、最低でも1週間は特別なヘアケアを意識する事をオススメします。
安易にトリートメントなどのヘアケアは行わない
残留薬剤が一番の理由です。残留した薬剤と言うのは、縮毛矯正による髪の整形の為に塗布した、髪を壊す成分です。
縮毛矯正は
1、髪を弱らせ
2、形成しなおして
3、修復する
と言うプロセスを踏みます。3、の修復するを終えれば、1の髪を壊す成分は、髪内部からは無くなると思うかもしれませんが、そんなキレイに無くなるとは考えにくいのです。
美容院によっては、残留薬剤に対する特別な対策を数々施してくれる所もあるかもしれません。
例えば、ヘマチンと呼ばれるアルカリ除去効果などが期待出来る成分によるヘアケアが有名です。
ですが、どんなに丁寧に残留薬剤を処理したとしても、やはり、当日に0に出来るとは考えにくいのです。
施術後の何日もつづく薬剤の匂いもそうですし、『施術後1週間はカラーなどは控えてください』と言われるのも、ダメージで弱っているから、というのもありますが、残留薬剤を心配した言葉でもあります。
そこで、思わずやってしまいがちなのは、家に帰ってからのヘアケア、トリートメントによるダメージ修復です。
結論から言うと、縮毛矯正後のヘアケアの場合、ほとんどのトリートメントは、ダメージ修復が期待出来るものでは無く、残留薬剤を飛ばすのに、かえって邪魔な皮膜をまとってしまうだけである可能性があり、むしろ避けるべきです。縮毛矯正後もっとも優先してやるべきは、残留薬剤を優しく抜いてやる事なのです。
トリートメントやリンスのパッケージを見ると、ダメージ修復や、植物エキス、補修などと良く目にします。
この、補修やダメージ修復、消費者にかなりの誤解を生みがちです。
私たちがこれらの商品を利用して、『ホントだ!ダメージ修復した!』と感じられるのは、『仕上がりの手触りと見栄えが良くなった』からではありませんか?人は何故か、修復すれば仕上がりが良くなると思いがちですよね?
否定はしませんし、そういった傾向はあるとは思いますが、今、我々がトリートメントを利用して、修復した!と思わせている成分は補修成分ではなく、シリコンなどの外側から『皮膜』する成分である事がほとんどです。
もちろん、これらの皮膜するトリートメントにも、私たちの考えるダメージ修復のイメージ通りの成分も入っている場合もあります。ですから、パッケージにダメージ修復と書くのもあながち嘘ではない事が多いのです。
トリートメントで人が求めるのは、言葉ではダメージ修復、補修なのですが、
実際の成果として評価したがるのは、見た目と手触りと言う事で、結果として、ダメージ修復をシリコンなどによる皮膜と混同してしまっている訳ですね?
シリコンは特別避けるべきではない、安全な皮膜剤です。だから、その仕上がりを求める事、その仕上がりから修復したっ!と考える事自体、皮膜を修復と言うのも、あながち間違いでも無いとも言えますからそこまで突っ込むのもどうかと思います。と言うより、シリコンは無害である以上、正直どっちでも良い事ですよね?
が、縮毛矯正後との相性は悪いと言えます。
シリコンだけでなく、トリートメントやリンスはダメージ補修をうたう商品が多いですが、その成分は複雑な物が多く、ダメージ補修どころか、何らかの見栄えや手触りを演出する高刺激な成分が多い傾向にあるともいえます。
ですから、少なくとも、縮毛矯正をした当日は必ず避けて、残留薬剤を失くす事を一番に意識する事をオススメします。
縮毛矯正後は髪が極限まで弱っている!優しく取り扱おう!
髪を弱らせて曲げるのが縮毛矯正です。
弱らせるとは、髪を構成する化学結合の一部を弱らせる事を言います。
具体的には、
水にぬれて弱まり、乾いて戻る水素結合
電荷の偏りによって弱まり、偏りが無くなって戻るイオン結合
還元されて弱まり、酸化してもどるシスチン結合
です。
これらを、一時的に弱めて、形を整形して、戻す、この作業が縮毛矯正でした。
一度弱めた物が元の状態より強くなって戻る事は考えずらいですよね?
ご想像の通り、縮毛矯正後は髪は構造的にかなり弱った状態です。
ですから、しばらくは、白髪染めなどのカラーリングなどの刺激はもちろん絶対避けるべきです。
それと同時に、いつもは何の影響もない些細なヘアケアにも注意するべきです。
例えば、ブラッシングやシャンプー、おだんごにするなどの髪にテンションをかける事もそうです。
共通で言えば、摩擦を起こす全てのヘアケアに言えます。
特に、縮毛矯正時に、髪の構造を弱める上記の条件を満たす事を伴った摩擦は気を遣いましょう。
例えば、水にぬれるシャンプーや、キャップをつけて塩水に浸かる海水浴などです。
海水浴は、稀かもしれませんがw
シャンプーは、入りますよね?
注意すべきは、その時の摩擦です。シャンプーは洗浄時、乾燥時と摩擦だらけです。
洗浄時は、普段よりも刺激、洗浄力の低いシャンプーを利用したうえで、低摩擦を意識して洗い上げる事をオススメします。上記でもありますが、リンスインシャンプーなどの使用には気をつけましょう。
縮毛矯正後のオススメシャンプーについては別記事でご紹介します。
乾燥時は、タオルで叩くように水を拭き取りとにかく摩擦を意識して乾かし、ドライヤーを使用して、温風で素早く根元だけ乾かし、送風モードでしっかりと熱をとってあげましょう。熱も髪を弱める重要な要素で、特に摩擦やぬれた髪などの条件が重なってしまうとダメージは相乗効果で上乗せされていきます。タオルドライ、ドライアーの温風、ドライアーの送風、どの手順を間違っても相乗するダメージが発生します。
縮毛矯正後のダメージヘアの乾燥は良い機会です。ピンチはチャンス。
順序、バランスをしっかり意識して、乾燥技術をマスターしましょう。
縮毛矯正後のヘアケアを見直せば、さらなる美髪へ!
縮毛矯正において、その後のケアにこそ、リスクマネージメントがたくさん詰まっています。
デリケートな状態だからこそ経験出来る失敗や特別な方法による成功の経験が得られやすいのです。これにより、普段のヘアケアのレベルアップをする事も可能ですよね。
特に、ダメージと見栄えや手触りの悪さはイコールでも、トリートメントの補修成分による見栄えの良さ、手触りの良さはイコールでない事はなかなか想像も実感もしずらい事実です。
今後も、縮毛矯正を利用するにせよ、しないにせよ、縮毛矯正と向き合った経験は、今後の大切な指針となる可能性を秘めています。
40代からの化粧品への新たなる選び方を考える時に、こうした1つ1つの経験が降り積もって、豊かな人生を彩るのだと思います。