私は、40代の方、特にくせ毛に悩んでいる方に、新たなシャンプー選びをオススメしています。
40代という体の変わり目に、今までのような縮毛矯正などのくせ毛対策やヘアケアでは、いままでと同じような納得の結果が続くとは、限らないからです。
そこで、縮毛矯正に頼らないでくせ毛と付き合うヘアケアとは何か?というと、まずは、低刺激、低洗浄力のシャンプーを選び直す事をオススメしています。
具体的には、シャンプーを選ぶ時に、界面活性剤がお酢系、アミノ酸系のシャンプーを選ぶことです。
ですが、
ここで、疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
シャンプーを調べると必ず語られる「高刺激」「低刺激」とは、そもそも何のことを指すのでしょうか?
私も、シャンプーについて勉強を始めた時、一番戸惑ったのは、シャンプーの刺激、怖さについて語られる書籍やウェブの多さでした。
勉強しはじめは、頭からこの危険を信じ、シャンプーやめようかと思ったほどです。
怖さを語ることは、良さを語ることより簡単で浸透しやすい物です。
良さは体感で分かりますが、怖さは体感出来ない場合が多いからです。
ワカラナイほど恐怖をあおる物は無いですよね?
ワカラナイの更に厄介な点は、克服に根気づよい勉強が必要な事です。
シャンプーの刺激の何が分からないかを突き詰めていくと、中学生の化学から勉強するハメになり、高校の化学へ導かれ、ようやく信頼出来る情報を見極められる程度に、ゴールはどこ?どこまでも連れ回されていきますw
なので、今回はかなり化学な記事になってしまいました。
ここで、1つ断っておきたいのですが、この記事でおいてのみ、ここであつかうシャンプーの界面活性剤は、あくまで、各シャンプーにおける、主たる洗浄成分である陰イオン(アニオン)界面活性剤についてのみの意味として、書かせていただきます。ただでさえややこしい記事になりそうなので、アニオンだのカチオンなど言うのはこの数行だけにしときたいからです。
なるたけ、かみ砕いて記事にしたつもりですので、突っ込みはお手柔らかにお願いしますw
今回は、シャンプーにおける刺激の正体を探求し、カルボン酸系やアミノ酸系シャンプーがなぜ低刺激と言われているのか、その根拠についてフカボリしていきたいと思います。
Contents
シャンプーの刺激とは!界面活性剤が危険と騒がれる理由はココ!
シャンプーの情報サイトや書籍を見ると、ラウレス硫酸Naをめちゃくちゃ高刺激で危険なシャンプーと紹介していることが多いですよね?ただ、なぜ高刺激なのか、そもそも刺激とはどんなことを言うのかについては語られていません。
実は、アミノ酸系だろうと、ラウレス硫酸NAだろうと、シャンプーを使うことで起こりうるデメリットは確かにあります。
それらを、刺激とよび、並べてみましょう。
シャンプーのもつ主なデメリット
1、強すぎる洗浄力による皮脂などの落とし過ぎ
2、液性(酸•アルカリ性)による髪へのダメージ
3、髪がマイナスに帯電してしまう
4、タンパク変性を起こす可能性
1、皮脂は落としすぎても良くないです。皮脂は髪や頭皮を守る皮脂膜の材料でもあるからです。
2、髪や頭皮を弱酸性から外すと、髪のゴワツキを引き起こしたり、頭皮を守る常在菌を殺菌しすぎます。アルカリに至っては体を構成しているタンパク質同士のつながりを弱くしてしまう、洗浄力を必要以上に引き出してしまうといったデメリットがあります。
3、シャンプーのほとんどは、髪をマイナスに帯電させる性質をもちます。マイナスに帯電した髪の毛は、水の中にとけている金属を吸着するなどのトラブルを招き、まとまらない、ゴワつく、艶がなくなるなどの様々な問題を引き起こします。
これらは、どんなシャンプーも必ず抱える問題です。
ですが、これらの問題はすでに解決されています。
1に関してですが、シャンプーの種類を選ぶ事で簡単に解決します。
こんにちのシャンプーには、実に様々な洗浄力を持つものが存在します。
ですから、自分の生活や体に合った物を選べば良いのです。
アミノ酸系シャンプーは比較的低洗浄力である傾向があり、それを理由に低刺激と呼ぶ事にも納得です。
2、3に関しては、1つ目に、シャンプーそのものに、様々な工夫をこらし解決がはかられています。
例えば、リンゴ酢などのアルカリ調整剤を配合して、シャンプーそのものを弱酸性に調整したり、ポリクオタニウムなどの電荷除去剤を配合して、シャンプーによる電荷を時間差で除去してしまう、または、シリコンで髪そのものをコーティングし仕上がりを演出するなどなど、メーカーも様々な工夫が行われています。
2つ目、こちらが王道の対処法と言えますが、シャンプーの後に行う、リンスやトリートメントです。
これらは、シャンプーのデメリットを解決するためにあると言っても過言ではありません。
ですから、2、3の問題には、実に様々な解決方法があり、ユーザーは好きな解決方法を選べばよい訳です。
なかなか語られる事の無いややこしく、厄介な問題は、4のタンパク変性です。
タンパク変性とは
タンパク変性とはタンパク質の性質を変えることです。トロンとした生玉子から硬いゆで玉子に変化するほど、全く違う性質になってしまうことを指します。
タンパク変性とシャンプーについて検索すると、「シャンプーには界面活性剤が入っているから、髪や頭皮はタンパク変性を起こしてしまう」などなど議論が飛び交っていて、あたかも生卵がゆで卵に変化するくらいの事が髪や頭皮で起きていると感じさせます。
そんな恐ろしい事が日々のシャンプーで起きているとは、考えづらいですよね?
もちろんそこまでの事が起きてはいません!
ただし、火の無いところに煙は立ちません。タンパク質に全く影響がない訳ではないのです。
つまり、タンパク質を変性させようとするチカラは備えているのです。
そのチカラの正体は、タンパク質のつながりを解こうとする力です。
では、タンパク質のつながりとはいったいどんな物なのでしょう?
タンパク質ってどうなってるの?
タンパク質のつながりを理解するには、ちょっとした化学の知識が必要になってきます。
学生の頃はこんな知識が何の役に立つのかと不満に思っていた時期もありましたが…結局世の中を理解するには、どうしても知識が必要になる物なのですね?私は学校で習った記憶がほとんど抜けてしまっていたので、、、今回理解にいたるまでものすごく苦労しましたw
学生に戻った気分でちょっとおさらいしてみましょう。
世の中にある全て物は、小さなつぶつぶの集まりでできています。基となるのが原子、原子がいくつか集まって構成したのが分子でしたね。
H(水素)、O(酸素)、C(炭素)などが原子。
H2O(水)、CO2(二酸化炭素)などが分子。
原子は様々な力でお互いに引き合うことで、分子として結合しています。
様々な種類の結合がありますが、これらをひとまとめに「化学結合」といいます。
シャンプーで心配されるタンパク変性とは、タンパク質つなぐ、この化学結合を界面活性剤で解いてしまう事です。
では、私たちの体はどんな化学結合で繋がっているのでしょうか?
私たちの体をこのミクロな世界で見てみましょう。
人間の皮膚や髪の毛、血液や爪そのほとんどはタンパク質でできています。人間のタンパク質はアミノ酸と呼ばれるさまざまな成分が、いろいろな化学結合でお互いを引き合っていて、折り畳まれていたり丸くなっていたりします。
いろんなアミノ酸がいくつもいくつも手を取り合って、抱き合っているイメージです。
そのために、どこか一個の手がほどけても、簡単にバラバラになってしまったりせず、しかも、一度解けてしまった手もある条件で結び直すようになっています。
非常にうまくできていて、頑丈な化学結合です。
この神秘的なタンパク質をつなぐ手、一本一本見ていきましょう。
- ペプチド結合
- ジスルフィド結合
- イオン結合
- 共有結合
- 水素結合
- 疎水性相互作用
です。
かなり堅苦しい名前が出てきましたが見た目以上に単純なつながりです。
身構えずにいきましょう。
これらの化学結合を解くチカラが、一部の界面活性剤には備わっていると言う訳です。
そこで、今度はシャンプーの界面活性剤にこれらのつながりを切るチカラが本当にあるのか、そのチカラはどの程度なのか見てみると、シャンプーの界面活性剤には、、
タンパク質変性を起こすほどの力量があるかはともかく、タンパク質のつながりを切るかもしれない力が確実にいくつかある事が分かりました。
界面活性剤に、タンパク質の化学結合の一部でも弱める力がある以上、「タンパク変性を引き起こす」論争が起きてしまうのは仕方ない事ですよね。
とにかく界面活性剤が嫌われ騒がれている理由は分かりました。
では、シャンプーの界面活性剤はタンパク質の化学結合のうち、どの結合にどう影響してくるのか具体的にみていきます。
界面活性剤のもつタンパク質への刺激
界面活性剤の化学結合を解く力は、いくつかあります。
タンパク質において解かれる可能性のある結合をそれぞれその仕組みとともに見てみましょう
水素結合
水素結合とは水素原子(+)が他の原子(-)と電気的に引き合う力です。H2Oであれば、Hがプラス、Oがマイナスとなって電気的に引き合っています。普段よく目にするところでは、雨粒同士がどんどんくっついて段々大きくなることがありますよね。それはこの力の働きです。水と水が集まりやすいことをイメージすればわかりやすいです。
タンパク質にもこの水素結合が存在します。
疎水性相互作用
疎水性相互作用とは水と馴染まない物どうし(油たちが)が水中で引き合う力です。水中では油は油でまとまりやすいのです。しょう油にラー油を垂らすとラー油同士が集まっていくのを見た事はありませんか?アレです。
※写真はドレッシングの油です
人間の体の60パーセントは水分で出来ているって良く耳にします。
人体は水中と言ってしまうとおおげさかも知れませんが、多くの水を多く含んでます。
とにかく、疎水性相互作用が活躍できる場所なのですね。
これらは、シャンプーが切断する結合の代表的なもののうちの2つです。
では具体的にはどう切断するのでしょうか。
シャンプーは水素結合、疎水性相互作用をどう切断するのか?
界面活性剤は、洗剤です。
水だけでは、汚れた食器の油汚れって洗い流せないですよね?
これは、水と油がくっつかないことが原因です。
ところが洗剤を使用すれば、あっという間に、キュッキュとなりますよね?
これは、洗剤に含まれる界面活性剤が、お皿にこびりついた油汚れと蛇口から流れる水の間に入り込み、くっつき合わせ、お皿から油を引きはがし、水と一緒に流れおちていったための結果です。
この水と油をくっつける力が、タンパク質のイオン結合、疎水性相互作用を弱める力があると言える訳です。
水と油を混じりあわせることができるということは、両者を引き合わせてしまうのですから
水素結合の水は水と集まる力
疎水性相互作用の油は油で集まる力
を切ってしまう力を備えているといえるからです。
つまり油汚れへの洗浄力がある時点でタンパク質に刺激があるといえます。
だから、全てのシャンプーは少なくとも刺激があると言えるのです。
ということは、ラウリル硫酸ナトリウムが刺激が強いなどと言われるのは、この2つの結合を切る力が強いからなのでしょうか?
それもそうなのですが…
実は、これだけではなく、もっと重大な理由があるのです。
シャンプーの刺激の力の正体。イオン結合の切断
タンパク質の化学結合のうち、水素結合、疎水性相互作用を紹介しましたが、実は、、シャンプーが関与してしまうタンパク質の主な化学結合には、もう一つあります。
それはイオン結合です。
界面活性剤の種類によってこのイオン結合への切断する力に如実な差が出ます。
これこそが界面活性剤の持つ刺激論争において、ラウレス硫酸が高刺激!アミノ酸系が低刺激と言われるゆえんです。
では、この髪のイオン結合、どんな結合なのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
イオン結合
イオン結合とは、プラスに帯電した原子とマイナスに帯電した原子の静電気的な結合です。
電気のプラスとマイナスが引き合うのはイメージしやすいですが、具体的に、『静電気的に結合する』という事を理解する上でどうしても知っておきたいのが『電子』です。
原子には、電子と陽子という物が存在しています。
電子は、マイナスの力を持っていて、原子の周りをクルクルと移動しています。
これに対しプラスの力を持っているのが原子中の陽子です。
この陽子、水素は1個、炭素は6個といった具合に、原子の種類によって持っている数が決まっていて、原子はその数に合わせて電子を集め、その数の差が、プラスマイナス0個で安定するといった特性を持っています。
ところが、一部の原子や分子は、プラスやマイナスであっても安定しやすいものがあります。
その状態を『イオン』と呼んでいて
プラスで安定するイオン(電子が陽子より少ない状態)=陽イオン
マイナスで安定するイオン(電子が陽子より多い状態)=陰イオン
に分けられます。
こうして、電子と陽子のバランスが崩れながらも安定する事で出来あがった、陽イオンの+と陰イオンの−が、電気的にくっついて生まれた結合がイオン結合という訳です。
例として、イオン結合の代表、岩塩のNaClで説明します。
Na(ナトリウム)は陽子11個なので、電子も11個で安定しやすいですが、10個でも特別な理由で安定しやすいです。
特別な理由に関しては割愛しますが、2、10、18は特別な電子数になっていて、原子の種類に関わらず安定しやすいのです。
つまり、NAは電子を1つ失い、陽イオンになりやすいとも言えます。
Cl(塩素)は陽子17個で電子数17で安定しやすいですが、先ほどの特別な電子数、18でも安定します。
つまり電子を1つ取り入れ、陰イオンになりやすいとも言えるのです。
こうして出来上がった陽イオンのNa+と陰イオンのCl−はイオン結合によりくっつき、NaClとなるワケです。
このイオン結合が髪やお肌のタンパク質の結合にもある訳ですが、、、
では、このイオン結合を切断するには、どうすれば良いのか、
それは結合している部分に、もっと強力なプラスやマイナスの静電気力を割り込ませてやれば、解きほぐすことができるのです。
実は、市販のシャンプーのほとんどが、水に触れる事でマイナスの静電気力を持つ仕組みを持っています。この仕組みを持っているのが、世間で良く言う、アニオン(陰イオン)界面活性剤です。
有名なシャンプーのほとんどはアニオン界面活性剤に属します。つまり、ほとんどのシャンプーはイオン結合に介入する力を持っているということです。
※水中でも電子がプラマイ0のままのシャンプーもありますが、数が少ない上、それはそれで問題を抱えていがちなのでココでは割愛しておきます。
ここで問題なのは、その静電気力の強さです。
この力が、イオン結合を解くほどの力を持っていなければ問題ない訳です。
アニオン界面活性剤である以上、どんなシャンプーでも水に触れて必ずマイナスの力を持ちますが、その強さには、シャンプーの種類によって差が出てきます。
では、どこで差が出るのかというと、一番大きいのは、分子の周りの電子の配置です。
電子はじっとしておらず、分子の周りをグルグル回っているのですが、その軌道には傾向があるのです。
この軌道の傾向で説明するのはややこしいので、仮に配置として説明していきます。
界面活性剤の電子の配置は、界面活性剤(を構成する水にくっついてマイナスに帯電する部分)の
1、原子の種類
2、構成する原子の数
によって決まります。
その理由は、原子の電子を引っ張る力に差がある事にあります。
原子は種類によって電子を引っぱる強さが変わるのです。
そのため、分子を構成する原子たちは、分子内で電子の引っぱり合いをしています。
引っ張りあった結果、電子の配置が決まり、電子を引き寄せた方がマイナスに、取られた方がプラスに更に極端に帯電します。
つまり、この綱引きのような電子の引っ張りあいの結果によっては、アニオンの元々持つマイナスの静電気力を更に強くなることがあり、そうなれば、イオン結合を切断するほどの力に達する可能性があるということです。
これが、シャンプーの種類による刺激の違いに直結しています。
シャンプーの種類ごとに刺激の強さを比較してみよう!
イオン結合に対する界面活性剤の静電気力の計算は実際にはかなり複雑になりますが、シャンプー同士の比較が目的ならば、界面活性剤の水とくっつくところの化学式を見れば実は簡単に比較できます。
水とくっつく部分の電子の偏り(原子たちの電子の引っ張り合いの結果)を絵で想像すれば良いからです。
例えば、刺激が高いとされるラウレス硫酸Naの水とくっつく部分の電子の引っ張り合いを見ていきましょう。
ラウレス硫酸Na 略した化学式は、R-O-SO3Naで水とくっつく部分は赤字部分です。
水とくっつく事で
SO3とNaに別れ、
残ったSO3
はマイナスの電荷を持ちます。
更に、電子配置の偏りがおきます。
SとO3つの電子の引っ張り合いを考えます。
※後述も含め厳密にはもっと複雑な引っ張り合いになっているのですが、単純な比較の為、簡単に考えます。
Sは引っぱり力2.5
Oは引っぱり力3.5
とそれぞれ決まっています。
これらがこんな感じに構成されています。
次にオススメしたいカルボン酸系シャンプー(後で説明しますが石鹸は特殊なのでココでは含みません)、アミノ酸系シャンプーの原子構成を見て見ましょう。
カルボン酸•アミノ酸は化学記号を略した化学式は、
ともにR-COONaで水とくっつく部分は赤字の部分です。
水とくっつく事で
COOとNaに別れ、
残ったCOO
はマイナスの電化を持ちます。
Cは引っぱり力2.5
Oは引っぱり力3.5
とそれぞれ決まっています。
これらがこんな感じに構成されています。
ラウレス硫酸Naとカルボン酸•アミノ酸を比べて見ましょう。ラウレス硫酸の方が、カルボン酸•アミノ酸より、酸素が1個多い分、O側に電子がよるので、Oのマイナスの電荷が増加します。なので、ラウレス硫酸の方がイオン結合に介入する静電気的強さは大きい訳です。
ちなみに、この静電気力、洗浄力にも比例しています。静電気力が高ければ高いほど、界面活性剤が水とくっつきやすくなり、作用しやすいからです。
シャンプーの刺激は静電気の力
シャンプーの刺激の差とは、界面活性剤の持つイオン結合を切断する力。つまり界面活性剤が持つ静電気力なんです。それが洗浄力を高めることにもなり、頭皮への直接的な刺激にもなる。これがシャンプーの刺激の正体だということです。
かなり専門的になってしまいましたが、イメージで言うのならば、
静電気といえば、冬、ドアノブに手を触れた時、セーターを脱ぐ時に発生するあのパチパチですよね。シャンプーの静電気力とは、イメージ的には、あの静電気によるパチパチが頭皮や髪でも起っているということなのです。
もちろん、シャンプーの静電気力は、あんなに「バチっ」「イタっ」となるほどの大きな力ではありません。ですが、加齢やくせ毛の天敵、摩擦やパーマによるダメージによって弱った髪ならば、何らかのトラブルになってもおかしくありません。
差がある以上、低刺激なシャンプーを選びたいですね。
低刺激なシャンプーを選ぶなら
以上の観点から、アニオン(陰イオン)界面活性剤のイオン結合への影響力が高い順に並べてみるとこんな感じになります。
1硫酸•スルホン酸系シャンプー
2アシルタウリン系シャンプー
3カルボン酸系シャンプー(お酢系シャンプー)、アミノ酸系シャンプー
低刺激なシャンプーを選ぶなら、カルボン酸系(お酢系シャンプー)かアミノ酸系シャンプーがいいことになります。
石鹸シャンプーは高刺激?同じカルボン酸系シャンプーでも特殊
先ほどオススメしたカルボン酸系シャンプーですが、カルボン酸系シャンプーの代表格、石けんは除いています。私の考えでは石けんは低刺激シャンプーとは言えないのです。
水とくっつきやすい部分が、カルボン酸系で出来ているものをカルボン酸系シャンプーと区分けしているのですから、石けんも当然、水とくっつくところはCOOで構成されています。そのため、静電気的な力は弱く、タンパク変性を起こしずらいと言えそうですが、その他のカルボン酸系シャンプーと決定的に違う特性があります。
石けんはアルカリ性だからです。
このアルカリが、タンパク質の化学結合の内、最も大切なペプチド結合を切ってしまう恐れがあります。これは、イオン結合を切断する云々の話はどうでも良くなるくらいの刺激です。
安全なイメージな石けんですが、それは分かりやすい成分と使用されてきた歴史が深かったりする事による単なるイメージで、実はとても気をつけて使わなくてはならない薬品です。
もちろん良いところもあります。
商品を手にとり成分表示を見れば、大抵、水、石けん素地とだけ書いてあり、非常に単純明快です。このためアレルギー体質の方なんかには、アレもこれも入っているシャンプーなんかより使いやすい一面もあります。
ただし、やはり髪にはオススメできません。
なぜなら、体や頭皮は、角質層などの強力なシールドがあるため、仮にアルカリに傾いても、毛穴から分泌される弱酸性の皮脂で自力で回復できます。
しかし、髪はキューティクルによる比較的弱いシールドがあるのみです、しかもアルカリによってキューティクル同士をくっつけているタンパク質を溶解し、その結果キューティクルは開き、髪の毛内部をさらした状態にしてしまいます。
さらに死んだ細胞の固まりである髪の毛は一度アルカリに傾くと、皮脂を出すなどの補修力はないため、自力での回復が出来ません。石けんシャンプー自体、私個人はオススメはしませんが、どうしても使いたい方は専用の弱酸系のリンスが市販されているため必ず併用しましょう。
また、洗浄力も強力です。人間の皮脂は弱酸性です。弱酸性の物は中和出来るアルカリ性の洗浄成分で洗うと良く落ちます。
40代の弱り始めた髪や、ダメージを受けやすいくせ毛の方には高すぎる洗浄力はメリットではありません。私たちにとっては、アルカリというだけでかなりのデメリットがあるということですね。
40代の年齢髪に低刺激シャンプーがオススメな理由
今回はシャンプーの持つ刺激性にスポットあてて見てきました。
界面活性剤のもつ静電気力は、世に言う、恐ろしいタンパク変性を起こすものではありませんが、髪のイオン結合を切るなどの影響力は持っています。
その働きは頭皮や髪に致命的なダメージを与えるほどのものではありません。しかも、細胞とはよくできたもので、多少のダメージを受けても簡単に負けることはありませんし、ある程度回復することもできます。(ただ髪は自力でダメージを回復できないので、ダメージ状況に応じたケアが必要にあります。)
とはいえ、それはあくまで健康的でピュアな細胞について言えることです。40歳をを越え加齢により弱ってきた髪や、そもそもダメージを受けやすいくせ毛、更にはパーマやカラーなどによって傷んでしまった髪には、界面活性剤が持つ刺激が深刻なダメージに発展してしまう可能性は見逃せません。
頑丈なブロックでも、劣化しひびが入っていたら簡単に割れるように、ダメージを受けたり細く弱った髪であれば、5年10年と使い続け、刺激を何度も受けてしまったら、何かしらの影響が出てくる可能性がありますよね。
だから年齢を重ねていたりダメージが気になる場合には刺激の少ないシャンプーに変えておいたほうがいいんです。
私は、刺激の理屈を知ってからと言うもの、とにかく刺激の少なさを意識して洗髪するようになりました!
まず、シャンプーをアミノ酸シャンプーに変えました。以前は、独特のもたつきやすっきり感のなさに抵抗があったのですが、今ではむしろ安心感に変わってます。
しかも、最近のアミノ酸シャンプーは、泡立ちの良さや使用感のいいものなどが数多く出てきているようです。今は様々なものを試して比べています。
アミノ酸シャンプーに変えて一ヶ月、、、仕上がりのしっとり感、ツヤ感、しなやかさが変わった!と感じています。あと欲を言えば、チクチク・ゴワゴワする硬い髪がやわらかく仕上がるようになれば、、、と思っていますが、硬い髪を柔らかくする方法についてはまた改めてご紹介できればと思います。