くせ毛用シャンプーってあるの?って探す方、多いのではないでしょうか?
実際、市販にはくせ毛をコンセプトにしたシャンプーが、いくつか見うけられます。
ただし、「はっきりくせ毛が治る!」とうたったシャンプーはありませんよね?
では、これらのくせ毛用シャンプーはどんな特別な成分が配合され、どんな効果が期待できるのでしょうか?
Contents
くせ毛用シャンプーとは?普通のシャンプーとどう違うのか?
元祖くせ毛用シャンプー、プロカリテをご存知でしょうか?
20年ほど前、一世を風靡した?(少なくとも学生時代の私は興奮して買いました)シャンプーです。
くせ毛に効くシャンプーと言うのは、当時とても画期的で、ビビアンスーの可愛いCM『ガンコなくせ毛素直にプロカリテ』が印象的でした。
ところが、このプロカリテ、くせ毛に悩む人たちにとって、物議を呼ぶシャンプーでもありました。
「くせ毛が治らない!効果がない!」と言う声が多かったのです。
当時、私の周りでも、「くせ毛が治った!」と言う人もいれば、「変わんなくね?」と言う人もいました。
ちなみに私は、変わんない派でしたw。当時としては結構なお値段だった記憶があり、お母さんに買ってもらったにもかかわらず、結果があれっ?って感じだったので、お母さんと凄くビミョーな空気が流れたのを覚えています。期待値が高かった分、がっかりしたんです。
何故、こんな事になってしまったのか?
実は、プロカリテは、くせ毛の曲りを真っすぐに治すのではなく、くせ毛を素直にするに留まる成分しか配合されていなかったのです。
それを私を含むたくさんのユーザーが、直毛になると勘違いしたのですね?
「くせ毛を素直に!」なんて、かなり微妙なニュアンスです。「素直!」って漢字も何となく直毛に似てますし、ビビアンさんの微妙な日本語の発音と相まって、とても誤解し安い背景が揃ってしまっていたワケです。。。
現代のくせ毛用シャンプーでも、似たような傾向があるといえます。
つまり、くせ毛を直毛にするのではなく、くせ毛をまとまりやすくするといった微妙なニュアンスでくせ毛に悩むユーザーを期待させ、リードしているのです。
くせ毛の原因は、タンパク質のつながりで、しっかりと固定されたものなので、一時的ならともかく、永久にくせ毛を直毛に変化させるには、髪のタンパク質のつながりのほとんどを一度切り、そのままではもちろんダメなので、改めてつなぎ合わせる事が必要です。
コレを可能にする成分が配合されているシャンプーは現在の市場には存在しません。
もし、今後出来たとしても、こんな荒技を、シャンプーの本来の目的、『洗浄』と共にお手軽に行うのは現実的ではなく、ありえません。
にもかかわらず、現在でも『くせ毛』をコンセプトにあげたシャンプーはたくさんあります。
有名なものでは、HIMAWARI(ひまわり)、Je l’aime(ジュレーム)といったシャンプー達です。
これらのシャンプーももちろん髪のタンパク質のつながりを切ったりくっ付けたりと言った成分は配合されていません。
では、くせ毛に全く効果がないのか?
というと、そんな事はありません。
くせ毛用シャンプーは、商品ごとにさまざまな特徴や狙いの違いはありますが、ほぼ共通して狙っているのは
「くせ毛の保水力アップ」
です。
ですから、くせ毛用シャンプーとは、保水力アップに特に注目した姿勢を持つシャンプーと言えます。そして、結論から言うと、保水力アップはくせ毛の悩みを解放する可能性を持っているといえます。
ただし、保水力アップには、さまざまな方法があり、その効果もピンキリです。
そもそも、くせ毛用シャンプーでなくったって、保水力アップを狙った優秀なシャンプーはたくさんあります。なので、くせ毛用と謳ったシャンプーは、そのままくせ毛に有効とは言い切れず、くせ毛の悩みを解放するためのアプローチとしては合っていると言うにとどまるのです。
髪の保水力アップは、どうしてくせ毛に有効なのか?
では、何故保水力が上がる事がくせ毛対策にオススメなのでしょう?
くせ毛に関わらず、毛髪やお肌は、タンパク質による保水力を持っています。この保水力があがると、当然蓄えられる水分が上がりいわゆる『潤い』を得ます。その結果、ハリやコシと言ったタンパク質の柔軟性が手に入り、そして、そのタンパク質が髪ならば、均等な光の反射によってツヤをも得れるのです。
これにより、くせ毛が、まとまりやすくなり、見栄えや手触りが良くなるのはイメージしやすいですよね?
では、髪の保水力をアップさせるには、どうすれば良いのでしょうか?単に、水を張り付かせるのでは、その効果は一時的なものとなり、保湿にはなっても保水力アップにはなりません。
本当の保水力アップに必要なのは、保水力を持つタンパク質です。
ですから、保水力アップに必要なものは、『水分』では無く、『タンパク質』もしくは『タンパク質を守る成分』なのです。
『潤い』は、単に水分だけではなく、タンパク質とそれが抱える水分を合わせて初めていえると言う訳ですね。
この潤い、具体的には、水分とタンパク質で織りなす柔軟な層のことで、髪ならばCMC、お肌ならラメラ構造と呼ばれています。どちらも、体の内部へ刺激を通さないシールドとしての機能と、美しさを保つという機能を持っています。
似て非なる2つですが、人体が、本来混じり合わない水分とタンパク質で織りなして出来た神秘的なものと言うのを物語っていますよね。
保水力アップはどう実現するの?
くせ毛にとって、とっても魅力的な保水力アップですが、シャンプーにせよ、化粧水にせよ、実現させる方法は実にさまざまです。ただし、潤いを与えると言われる製品、その全てを保水力アップ効果があるとよんで良いのか?というと,『Yes!』とは言えません。
潤いを与える!は、単に水分が一時的に張り付かせる成分さえ配合されていれば言えてしまいます。ですから、例えば、ただの水ですら潤いを与える!といっても嘘にならないので、けっこう簡単に言えてしまう事なのです。
ですから、世にある潤い系の化粧成分は、一時的な保水を狙ったものが多く、真に保水力アップが期待できるアイテムは限られています。
シャンプーなどのヘアケアアイテムも同じです。一時的な保水成分しか入っていないにも関わらず、潤いを強調したアイテムは多いのが現状です。
これらの商品では、本来の目的であるハリ、コシ、ツヤは達成できません。ですから、この手の商品はまったく別のアプローチ(シリコンコーティングなど)で、ハリ、コシ、ツヤを演出する訳です。
これらの商品を、真の保水力アップとは言い難いですが、私は個人的にコレも保水力アップの仲間として認識しています。ただし、一時的保水は、ハリコシツヤとは無関係なので、仲間はずれで認識できません。
あくまで、ハリコシツヤを害なく演出するもの(シリコンコーティングなど)だけです。
これらの商品に対して、本当の保水力アップをはかるシャンプーとはどんなものなのかというと、
本当の保水力アップの成分、
- 皮脂の代わりに髪のタンパク質を守るオイル系成分
- 傷ついたタンパク質を補修する成分
- お湯だけでは高刺激になりがちな洗髪を優しく低刺激なものにするダメージレス成分
これらの成分の配合された商品を言います。
簡単にそれぞれ具体例を上げておきます。
オイル系成分
ツバキ油(オレイン酸、リノール酸)、スクワレンなどのオイル系成分、皮脂の代わりに皮脂膜となり、弱りがちなお風呂上がりの頭皮や毛髪を優しく包み込みます。
タンパク質の補修
ケラチン、セラミドNG、ヘマチン、ラクトン誘導体などの補修成分で、髪のCMC、ケラチン、キューティクルなどのタンパク質のダメージ箇所を補修や架橋し復活させます。
ダメージレス成分
洗髪を低刺激におさえ、静電気力を低めにおさえつつ洗浄力を上げて洗髪の効率化する、スルホコハク酸ラウレス2Naなどの洗浄成分。
増粘、泡立ち、洗浄成分のもつ静電気力による刺激をおさえるコカミドプロピルベタイン、コカミドDEAなどの洗浄保護成分。
これにより、髪のタンパク質を保護し、それでも受けたダメージは補修成分で補うを実現し、保水力アップが実現すると言う訳です。
くせ毛専用シャンプーは、くせ毛に有効なの?
実際に、くせ毛に有効!とされるシャンプーの全成分表示を見てみると、期待できる効果は商品ごとに全く違いますw正直なところ、いかにパッケージやCMで、くせ毛によい!と言っていても、くせ毛に良いかどうかは、配合成分次第と言わざるをえません。
なので、くせ毛用シャンプーとは、もはやくせ毛というか言わないかの差でしか無く、普通のシャンプーの方が、くせ毛をうたうシャンプーより「よりレベルの高い保水力アップが期待できる」「高性能である」といったことはザラです。
となると、、なにも、くせ毛専用系シャンプーを選ぶメリットはありません。
もちろん、くせ毛専用系シャンプーとうたう以上、一定の保水力アップ成分はほぼ見受けられます。
くせ毛シャンプーの代表格、「ひまわり」のくせ毛対策を成分表示から見た詳しい記事は、コチラにて紹介しています。
結論として、くせ毛の悩みを本気で解消したいのであれば、パッケージやCMに惑わされず、全成分表示を読み解き、どのような
例、ツバキ油(オレイン酸、リノール酸)、スクワレン、スルホコハク酸ラウレス2Na、コカミドプロピルベタイン、コカミドDEAなどタンパク質を補う成分
例、ケラチン、セラミドNG、ヘマチン、ラクトン誘導体など
が配合されているのか?をチェックする事。
そして、実際の使用感と仕上がりを正直に見る事が必要です。
ただし、今回例に挙げた保水力アップ成分は、主たる物ではあるものの、本当に一部であるために、コレだけチェックすれば良いと言うものではありません。
詳しくは、くせ毛のヘアケア成分とシャンプー解析ページを合わせてご覧いただければと思います。