シャンプーを選ぶとき、どうしてますか?
ほとんどの人が、まずはパッケージやCMの印象、価格帯から商品を選んでるのではないでしょうか?そして、実際に使用してみて仕上がりなどから、「正解だった!」とか「思っていたのとは違った…」とか判断していると思います。
でも、低刺激、低洗浄力シャンプーを探している人にとって、低洗浄力はともかく、果たして、低刺激だったのかは実際の仕上がりで判断するのはすぐには難しいですよね?
そこで、低刺激を判断するのに大切な基準が、パッケージ裏の成分表示です。
素人目には摩訶不思議な呪文のように見える成分表示ですが、ちょっとしたコツさえ押さえれば、刺激の強さ・弱さといったシャンプーの特性を見分けることができるようになるんですよ。
今回は、シャンプー選びに欠かせないシャンプーの成分表示について、記載のルールと読み方のコツについて解説していきます。
使用している成分から、自分好みの低洗浄力・低刺激シャンプーを判断できるようになれば、シャンプージプシーとはお別れです。期待通りのシャンプーに早く出会えるチャンスを高めることができるハズです。
Contents
使用感?香り?一歩上をいくシャンプーの選び方!成分表示の見方のコツ。
シャンプーのボトルの裏面にある成分表示を見てみてください。
細かい文字でギッシリと詰め込まれた見慣れない薬品やカタカナの羅列…コレ、ふつう見極められる人はほとんどいません。かくいう私も勉強中です。
適当に手元にあるシャンプーの成分表示を試しに挙げてみます。
水、ラウロイルサルコシンTEA、パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、PPG-2コカミド、コカミドメチルMEA、コカミドMEA、ジステアリン酸グリコール、塩化Na、コメエキス、コメヌカエキス、コメ胚芽油、加水分解コメタンパク、コメヌカ油脂肪酸フィトステリル、ムクロジエキス、ツバキエキス、ヒオウギエキス、クエン酸、カエサルピニアスピノサヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-10、エタノール、ポリクオタニウム-7、BG、デキストリン、EDTA-2Na、安息香酸Na、香料、カラメル
訳分かりませんよね…
でも、大丈夫です。読み解くにはコツがあります。成分1つ1つについて見極められればそれに越したことはないのですが、その必要はありません。
洗浄力と刺激を見極めるのにひとまず見極めるべきは、主たる洗浄成分です。
そのために、まず、成分表示を主たる洗浄成分(陰イオン界面活性剤)とその他の成分に分けて見えるようにしてしまいましょう。
そのためには、陰イオン(アニオン)界面活性剤の種類について知っておく必要がありますが、慣れてしまえば簡単です。
あまり、他の成分に気を取られてしまうと、刺激の迷子になりがちです。メーカーオリジナルの新成分もどんどん開発、新登場されていますので、全ての成分について把握するのはそもそも困難です。
まずは、陰イオン(アニオン)界面活性剤にのみ、集中して洗浄力と刺激にしっかり集中して仕分けましょう。
そしてココからが本題です。
成分表示の見方についてですが、
まず、知っておくべきは、記載のルールです。
成分表示は様々なルールの上で記載されていて、その記載ルールを知る事で、一歩踏み込んだ成分解析ができるようになります。これは、シャンプーに限らず、化粧品全般に共通しているものなので、生活に関わる様々な商品の選び方の基礎になると言っても過言ではないと思います。
そういった意味では、シャンプーはとても分かりやすい教材であると思います。
まずは、記載ルールが何によってどう定められているか見てみましょう。
成分表示に秘められたルールとは
シャンプーの成分表示には記載するにあたってのルールがあります。例えば記載の順番です。成分表示を読み解く第一歩目がココです。
シャンプーは薬品です。
薬品ですので、作用と副作用を持ち合わせています。なのでその作用と副作用の影響力に合わせて商品ごとに、きちんと3つに仕分けられて安全に管理されています。
- 化粧品
- 医薬部外品
- 医薬品
です。
下に行くほど、大きな作用や効能が期待できますが、その分副作用も大きい傾向にあるので、使用する際には充分に注意する必要が出てきます。だから、どんな成分が使用されているか細かく記載するルールが定められているのです。
今回注目するのは、それぞれの成分表示の記載ルールです。成分表示の記載ルールを知る事で、商品の狙いや、メーカーの商品へ対する思いを推測する事ができます。
それぞれの記載ルールについて見ていきましょう。
化粧品
薬機法などの法律に定められたルール
- 使用されている成分全部を記載する
- 配合量順に記載する
- 配合量が全体の1パーセント未満の場合、順番は自由
- 香料は、配合量に関わらず最後の記載でかまわない
医薬部外品
化粧品業界で定められたルール
- 以前、法によって指定されていた102種類の薬品(様々な観点からと危ないかもしれないと判断された成分)を配合した場合には、その成分だけは必ず表記する事。
医薬品
薬機法などの法律によって細かくルールが決まっている。
- 使用されている成分全部を記載する
- 配合量順に記載する
- ただし、配合量が全体の1パーセント未満の場合、順番は自由
- 香料は、配合量に関わらず最後の記載でかまわない
おおざっぱな部分だけで言えば化粧品と同じ。
医薬部外品だけずいぶんとゆるいですね。
危険かもしれない成分というのが、そもそもルールが曖昧で、それ以外は何が入っているのかわからない…というのはあまりに不親切な表示と言えますよね。
このルール、あまりにも無意味だったがために廃止された昔の法律に則ったものです。もしもこんなルールを徹頭徹尾守られたら、成分表示の意味はあまりありません。なぜルールを見直さないのかは疑問です。
でも大丈夫です!
実際に医薬部外品の成分表示を見てみると、化粧品のルールに沿って記載してくれているものがほとんどです。近頃は、ルールがないとはいえ、隠したってロクな事にはならないのは明らかですからね。
さて、色々と成分表示の裏事情を混ぜ返して、かえってややこしくしてしまいましたが、
海外品でない限り、シャンプーの成分表示は
『全成分を配合量順に記載されている』
と考えていて大丈夫です。
一応、医薬部外品にはルールがない=記載に責任はない事も念頭に置いておきましょう。
何よりここで大事なのは、シャンプーの成分表示は、ほぼかならず、水とまず記載があり、続いて洗浄成分である陰イオン(アニオン)界面活性剤が何種類かつらつらと並んで記載(1種類も全然あり得ます)されていることです。
これは、シャンプーの成分の配合割合の平均は70%が水、界面活性剤が20%と言われることが起因しております。
使用されている陰イオン(アニオン)界面活性剤の種類さえつかめてしまえば、低洗浄力、低刺激のシャンプーを見抜くことができます!
1%を見極めて怪しい広告を裸にしよう!
シャンプーの主成分は水と界面活性剤で、この二つだけで全体のおよそ90%にも及ぶ事がほとんどです。たいていは水:70%、界面活性剤:20%になってるそうです。
では、水と界面活性剤以外の成分はどうでしょう。配合量1%以下の成分は記載順位自由となっています。ですから、成分表示のどこからが1%かを見定めることで、配合量を推測することができるようになります。
では具体的に1%以下のラインをどう見極めていくかですが
- 〇〇エキスの記載が始まるところ
- 防腐剤、酸化防止剤の記載が始まるところ
という方法が簡単です。
1、〇〇エキスの記載が始まるところ
〇〇エキスはかなりの高確率で1%未満といえます。
なぜなら、〇〇エキスは多くの場合、単なるイメージアップで配合されている物がほとんどと考えることができるからです。
もちろん植物エキスや、植物精油はアロマテラピーや漢方などなど有名で、効力はもちろん認められています。そうではなく、そもそも洗い流す事が大前提というか、マストのシャンプーに植物エキスを配合して何らかの効果を得ようと言う考え方が、疑問に思えてならないのです。
もっといえば、何十種類もの植物エキスを微量づつ配合するというところと、狙いが曖昧すぎるものが多いと感じています。
そんな背景を考えると大量に配合するはずもなく、植物エキスの配合は1%以下である可能性が高いと言わざるを得ないのかなと考えます。
2、防腐剤、酸化防止剤またはそれに準ずる成分の記載が始まるところ
そもそも、化粧品において防腐剤などの扱いに注意が必要な薬品には、その種類によって配合量に制限がしかれていて、一番配合できるもの(パラペン等)でも1%以下に抑えなければならないと定められています。
なので、制限された防腐剤以下の記載は必然1%以下と決めつけることができます。
ところで、ここで一応防腐剤の見方について見直しておきたいです。
「パラペンフリー」などの言葉、聞いたことはありませんか?
パラペンは防腐剤を代表する薬品です。防腐剤ってものすごく嫌われていますよね?
ところが、シャンプーは長い期間をかけて消費する製品です。危険性だけで言えば、腐ったシャンプーを使用することのほうが、パラペンなどの防腐剤を含んだシャンプーより、断然リスキーだとわたしは考えます。
刺激が高い防腐剤。なぜ入れるのか?腐らないメリットを思いだそう
話はそれましたが、とにかくこれほど毛嫌いされている防腐剤です。結局、メーカーにとっても、ユーザーにとってもなるたけ減らしたいはずの成分です。メーカーもユーザーのために、防腐剤は減らそうと躍起な訳です。
酸化防止剤も同様です。効果を発揮するのに必要な分量しか入れないはずです。
メーカーにとってもなるだけ減らしたいこれらに準ずる成分が1%以下である可能性は極めて高いと言えるでしょう。
植物エキスは無視しよう。エキスは雰囲気を盛り上げてくれる演出家!
シャンプーの成分表示を見ようと、公式ページの正確な情報を見ようとすると、、、、
無い、、、、
成分表示が無い、、、
どこまで探してもない、、、
ってイライラする事が多いです。
探しまわったあげく、結局お店に行く、取り寄せる、なんて事が良くあります。何回やっても懲りずに検索しちゃうんですよね。市販品はとくにその傾向が高いです。
ところが、配合された植物エキス成分については、ほぼすべてのシャンプーの公式サイトでちゃんと記載していて、
7つの植物エキス配合、、、などとアピールしています。
正直、印象が良いですもんね?
両親のこだわりで無農薬有機野菜で育った私は、植物エキスだとか、天然・自然のままの、などと言われると、ワォと喜んでしまいます。化学薬品にかなり理解を示した現在でも、わかっていても、脳が一瞬喜びます。
ですが、前述の通り、シャンプーに入っている、〇〇エキスがどんな効力であれ、簡単に効果を発揮するとはとても思えません。※もちろん効果的な植物エキス配合のものも存在しますが、そういったシャンプーは、あれもコレも入っているものではなく、狙いが明確でお値段もはることが多いです。
そもそも、まず、シャンプーは洗い流すものです。
そんな洗い流すまでの短時間で、効果を狙う必要があるのかな?
ねらう効果にもよるんだろうけど、入れるならアウトバスのケア商品にいれれば良いのに、、、などとついつい考えてしまいます。
更に、CM、パッケージ、公式ページを懐疑的に見れば分かりますが、〇〇エキスは広告効果を狙って入っているケースがかなり高く、配合量は1%未満である可能性がかなり高いと考えられます。
ただでさえ懐疑的なシャンプーへの植物エキスの配合ですが、、、
さらに、いうならば、植物エキスのというものが、どうやって作られるからかを冷静に見ていくと、効果的か判断が更に難しくなっていきます。
例えば、同じローズマリーエキスと成分表示に記載が合っても、効果や作用の強さが異なってくることがあります。
コレは、同じローズマリーエキスでも、
- 植物の産地と採集時期
- 部位(根、茎、花、実など)
- 抽出の溶媒(上記BG、水、エタノールなど)
- 精製方法
- 配合量
が変わってくることが原因です。
ローズマリーには、抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用などなどが認められていますが、コレはあくまで、ローズマリー単体を、上記様々な条件の中から、しかるべき条件で抽出し、利用した場合の効果です。
では、シャンプーへの配合を考えると、、、
メーカーが、植物エキスの配合するにあたって、効果を担保する条件を研究した上配合しているのかが大切です。
もしそうならば、その証拠はあるのか、と言うと、、、、
成分表示や、パッケージの記載からはほぼ見抜けません。その責任はメーカーにはないのです。
ただし、配合量を抽出の為の溶媒の観点から考えると、植物エキスの配合は、かなり微量で『効果がない量』である可能性が高いです。
なぜならば、主に、植物からエキスを抽出する為の溶媒は、水、BG、エタノールです。
BGやエタノールは、1%以下で成分表示されることの多い成分です。ですから、BGやエタノールは、1%以下で成分表示された上で、植物エキスも入っているとなると、その、BGやエタノール以下の配合量であるという可能性が高いというわけです。
その条件で考えると、実際の植物エキスの配合量は1%どころじゃありません。数字で表す必要もないくらいの配合量です。
想像してみてください。
あのシャンプーの1/10000,1/100000が植物エキス、、、、、何ができるのだろうと。想像でも十分厳しいですよね?ですから、シャンプーに配合された植物エキスは、成分表示を見る時には、基本、無視してよいと私は考えます。
とはいえ、演出や雰囲気に惹かれる気持ちもわかります。
そもそも、ボタニカルや、植物由来といったボトルのキャッチーな言葉に惹かれてかった場合、〇〇エキスの表示だけでも嬉しいものです。花の香りなんかもつけていれば最高ですよね?
そういった意味では、植物エキスや、香料は演出家と言った見方もできます。
もちろん少量でも、保湿など効果が見られるケースもあり、配合の条件や、配合量が見えないというのはむしろ無限大の期待値を感じてしまうのは仕方のないことです。
ですが、やはりほとんどの場合、シャンプーの特徴を左右するほどの存在ではないはずです。
ある意味、もはや、不純物!?と見なされてもいたしかたないのが実情です。
もう、期待させないでくれよ、、、入れないでよ、、と言いたいところですが
私は、それでも、植物エキスと効いてしまうと、必要以上に期待してしまうので、頭ごなしに否定する立場にありません。
言い訳になりますが、植物エキスの場合、よくも悪くもとらえることができる背景があるのは事実で、意見が『是非』を、行ったり来たりしてしまいました。
結論をはっきり言うならば、シャンプーは洗い流すもの。
お湯と一緒に、洗浄を補助するものです。
まずは、植物エキスは無視!洗浄成分に注目し、低刺激低洗浄力を見極めましょう。
メーカーのシャンプーの売り方、私たちのシャンプーの買い方、見直してみる
成分表示の見方のコツが分かると、シャンプーのパッケージやTVのCM、オフィシャルサイトに至るまで、いかに、演出のための場所になってしまっているかが見えてきます。
それだけならばまだしも、成分表示ですら、そこに並ぶほとんどの成分が演出寄りです。
ですが、ちゃんと成分表示の上位は必ず、洗浄力と刺激性の鍵、陰イオン(アニオン)界面活性剤がキチンと記載されています。低刺激低洗浄力シャンプーを求める私たちは、まず、淡々とココだけ見れば良いのです。
低洗浄力・低刺激な成分の詳細についてはこちら
植物エキス配合、肌にやさしい植物由来成分、石油系原料不使用、パラペンフリーなどのキャッチコピーは、非常にまどろっこしい上に消費者を心配にさせるだけの言葉です、まずは目をつぶりましょう。
どれもコレも突っ込んでいけばあんまり意味ない言葉で、これもいわゆる『演出』です。
世の中は演出で溢れています。真実を知れば、誠実とは思えないこの演出も、じつは、かわいいもんです。なぜなら、たいした意味はないのですから。そう、害もないのです。ある意味私たち消費者はその演出を喜んでいるくらいじゃないでしょうか。
ただし、消費者として、
演出だけで商品を選ぶのと、
真実に気づいて演出すら楽しんで商品を選ぶのとでは、
自分の生活の組み立て方にものすごい差が生まれると思いませんか?
シャンプーに限らず、今の日本は、人と人が助け合って超高度で超便利な生活をおくることのできる国です。ですから、難しい専門情報や演出がまことしやかに飛び回っています。
住まいはマンション最上階より平屋1階の方が体に良い?
ベジタリアンより肉だけ生活のほうが実は体に良い?
すべて私が最近聞いた、まだなんの根拠も手にしてない情報です。
※くどいようですが最近聞いたうわさで、あっているか分かりません。
これらは、演出ともいえないかもしれませんが、似たようなものです。
私たち消費者にとって、大切なのは、ある程度、根拠を持って納得して選択する。
その上で、自分の生活を1つ1つ組み立てていくことをオススメします。
これだけ助け合う日本の社会です。
自力で自分だけを信じて生きるのはむしろ、もったいない!
信じるところは信じて、納得して自分の生活のピースにはめ込んでいきましょう。
40代からの生活は、自分で自分を知り、商品やサービスというピースを納得して組み立ていくことで、手を取り合って自分なりの新たな生活を組み立てていきましょう!