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髪のヘアサイクルと構造からヘアケアを考えよう!
くせ毛が曲がる原因は毛髪内部のタンパク質にあります。
そして、その曲りを直毛にするにはそのタンパク質のつながりを一旦解いて戻す荒技、縮毛矯正が必須です。さらには、まとまらないゴワつくといった、くせ毛の悩みもタンパク質の状態によって左右する髪の保水力に伴う「潤い」によって軽減できる期待が持てます。
ですから、くせ毛の悩みを解放するには、縮毛矯正に頼るにせよ、潤いあるまとまり髪を目指すにせよ、髪のタンパク質に注目する必要があるのです。
髪はどう作られて、どう構成されているのか知る事で、ヘアケアにどう向き合うべきかが見えてきます。
髪が生え変わるサイクル
成人のかたで平均10~15万本の髪が生えています。1日に50~100本くらい自然に抜け落ちます。
以外に多いですよね?ですから、シャンプーやブラッシングの際に抜けた髪を見て「こんなに抜けて大丈夫?」などと思いがちですが、そこまで極端な心配は要りません。
抜け落ちたら、終わりではなく、新たな髪が同じ毛穴から新たな髪が生えてきます。
毛穴は、髪を生んで、伸ばして、成長が止まり、そして抜けると言うサイクルを繰り返すのです。
発生期 | 髪は生まれたばかりの頃は、産毛のように細くやわらかい短い毛です |
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成長期(3~6年) | 成長するにつれ、太く長くなります |
退行期(1~2週間) | そのうち毛球が退化して成長が止まります |
休止期(3~4ヶ月間) | 毛球が完全に退化して髪が抜け落ちます |
この一連の流れを「ヘアサイクル(毛周期)」と呼び、その段階を「発生期」「成長期」「退行期」「休止期」に分けて呼ばれています。
このヘアサイクルを繰り返す事で、髪は生え変わるわけですが、その周期は、男性で3~5年、女性で4~6年くらいと言われています。
成長期まで、髪は伸び続けるわけですが、そのスピードは1日で0.3mm、1年で10cmほど伸びる訳ですから、髪の寿命から考えて、計算上はどんなに髪を伸ばしても60cmほどで抜け落ちる訳です。
ちなみに、ギネスブックでは髪の長さ2m超え、4m超えという記録もあるので一概には言えませんけどね。また、毛根や毛包は常に同じ深さで存在しているのではなく、髪が育つにつれて大きくなり、深くなるそうです。
さまざまな雑学を含みましたが、ここから言える事は、補修などの今ある髪をなんとかしようと言うものを除き、どんなヘアケアを取り入れても、真の成果が表れるのは、すべての髪が入れ替わってからと言う事です。
つまり、ヘアスタイルによって期間は変わってきますが、何をやってもすぐに効果は表れず、根気がいるということです。
髪は死んだ細胞で、一度受けたダメージは自分では回復する事は出来ず、産まれた時からの減点方式で状態が評価されます。つまり、「いかに良い状態でうみ、守りきるか!」ということを意識したヘアケアを根気よく続けられるかが重要なのです。
植物が成長する時に、茎や葉を伸ばすと同時に根もしっかりはっていくのと似ています。
40代を過ぎると、頭皮が薄く硬くなってしまうので、毛根がしっかり根をはることができなくなります。加齢などの理由により頭皮の血行が悪くなり、髪の発育が悪くなるのです。
血行の促進には運動が効果的ですが、頭皮は顔と違い筋肉がないので、自主的にマッサージなどを取り入れて血行がよくなるように気をつける必要があります。
また、髪を生み出す毛球部分が、刺激の強いシャンプーを使うことでダメージを受けることによっても、髪の発育が妨げられます。これによりヘアサイクルが乱れて、成長期にしっかりと髪を育てることができないまま退行期に移ってしまったり、休止期が長くなって髪の生まれてくるタイミングが遅くなったりしてしまうことがあります。
髪の構造
「キューティクルが傷む」などをキーワードに、ヘアケアの多くが、髪を守るダメージケアです。
でも、髪がダメージを受けると言うのは具体的にはどういう事なのでしょうか?
髪の構造から見ていきましょう。
髪は内側から、「メデュラ(毛髄質:もうずいしつ)」「コルテックス(毛皮質:もうひしつ)」「キューティクル(毛小皮:もうしょうひ)」の3層構造で成り立っています。
メデュラ
髪の中心にあたる部分で空洞になっています。髪によっては存在しないこともあり、どんな働きがあるのか未だ解明されていないことが多い部分ですが、弾力や柔軟性に一役かっているという説もあります。
コルテックス
髪内部の大部分を占める細胞で、主にケラチンと呼ばれる固いタンパク質でできており、このタンパク質の密度が高いほど弾力や強度が高いコシのある髪になります。
キューティクル
うろこ状に規則的に並んでいて、平均で6~8重になっており、空気中の菌やホコリ、摩擦や紫外線などの外部刺激からコルテックスを覆い守ってくれています。言い換えればキューティクルが髪の鎧となっているのです。さらにキューティクルはツヤを演出する『美』の器官ともいえます。
キューティクルは透明です。健康な健康なキューティクルは光を均一に反射することで「天使の輪」と呼ばれる髪のツヤを生むのです。
と、基本的には髪はこの3種で表現されます。さらに細かい領域でも、表現できるのですが、ここでは、髪のダメージの基本をみるに留まるため、ここまでにして割愛します。
さて、材料がそろったところで、髪のダメージとはどういうものなのかみていきましょう。
髪のダメージ
髪のダメージとは、何らかの刺激がキューティクルを超えてコルテックス領域に到達し、髪内部のタンパク質に何らかの変化を起こすことを言います。
これにより、髪の保水力が低下し、タンパク質とともに水分をも失い、スカスカの髪へと変化してしまうのです。こうなると、髪はハリ、コシ、ツヤを失い、ただでさえまとまりずらい、くせ毛の悩みはますます悩ましいものになってしまうのです。
ただし、普通の状態では、こんな事簡単には起こりません。
刺激はキューティクルによって遮断されるからです。
でも、このキューティクル、ある条件で弱まって、刺激が髪内部への侵入しやすい状態になります。
それは、
髪が湿ったとき
高温のお湯やドライヤーの熱をえたとき
プールの塩素、海水などのアルカリ水により、髪本来の弱酸性が保てなくなった時
です。
いわゆるキューティクルが開くと呼ばれるこれらの条件ですが、必ず条件が重複する場所があります。
それが以外にも
入浴
なのです。
入浴は、必ずぬれて、熱を得て、その上でゴシゴシと摩擦を受けるからですね。ですから、ダメージのほとんどは、入浴時に受けるともいえます。
なので、お風呂を見直す事がヘアケアの基本となります。
具体的には、
- 優しく洗えるシャンプーを選ぶ
- 摩擦などの刺激をおさえることを意識する
- それでもいたんでしまった髪の修復ができるコンディショナーやトリートメントを選ぶ
- お風呂上がりのドライヤーで適切な乾燥をはかる
- 必ず送風モードで髪の熱をおさえる
- 優しくタオルドライをはかる
です。
ほとんどの日本人は、洗髪の刺激や、程よい洗浄に対する意識が間違っているため、徹底して低刺激を意識するだけでも、かなり違いが出るはずです。
「洗髪」は、髪を癒すどころか傷める行為であり、皮脂などの油汚れは落としきるのではなく、程よく残す程度ですます方が、余計な刺激を産まず、残った皮脂によって、保水力を保てるのです。
40代以降の毛穴と髪はこうなっている
ここまでは、通常の髪からみるヘアケアを見てきました。
ところが、私くらいのとし(40代です)になると、「若い頃は特にお手入れをしなくても問題なかったのに、ボリュームやコシがなくなってきた」「薄毛や白髪が気になる」などなど、あらたな問題を抱えがちです。
コレは、ホルモンバランスの乱れ、血行不良、バリア機能(外部刺激の侵入を防ぐ人間が本来もつシールド)の低下などに伴う問題です。
肌にシワやたるみが出るように、髪や頭皮も年齢と共に老化するのです。
40代の髪や頭皮は以下のような傾向にあります。
頭皮は血行不良により硬く、薄くなってしまっています。
毛穴は重力により下に引っ張られて歪んできています。
長年のダメージの蓄積により乾燥しがちです。
ホルモンバランスの乱れによって、皮脂が出過ぎたり出なかったりと頭皮環境が乱れています。
加齢、ストレスによってメラニン色素が減って髪色が白くなっています。
髪自体の栄養状態や水分バランスが悪くなり、細く弱くなったり、乾燥しています。
こうした傾向に個人差がうまれるのは、遺伝ももちろん関係あります。
ですが、ここで大切なのは、間違った知識やお手入れにより、知らず知らずのうちにこれらの症状をひきたててしまっているといった心配もある!と言う事です。
特に、洗髪や化粧品を使ったスキンケアは誤解の宝庫といえ、
「何のためにやっているのか?」
「どうしてそんな効果が生まれるのか?」
「毛髪のどの部分に働くケアなのか?」
これらのチェックを、毛髪の正しい知識と、自身の髪の悩みや頭皮の状態と照らし合わせて、しっかり納得した上で、適切なケアを取り入れるようにしましょう。
- 普段のシャンプーにマッサージを取り入れて、頭皮を柔らかくし、たるんだ毛穴をひきしめる。
- 頭皮を中心にシャンプーすることで、毛穴の詰まりを取り除き清潔にする。
- 摩擦や熱に注意したシャンプーを心がける事でキューティクルを傷めない生活習慣に変える。
- 頭皮と髪にやさしい低刺激系シャンプーを選ぶ。